ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 脳はみんな病んでいる

「脳はみんな病んでいる」池谷裕二さん、中村うさぎさん対談 * * * ・脳についての対談(「脳はこんなに悩ましい」の続編) ・二人が高機能自閉スペクトラム症の診断を受ける という構成で、人口の1%の人に切実に必要で(その周りの人たちも知ると)人…

本 人をつくる読書術

「人をつくる読書術」佐藤優さん著 この本で逆に思ったのは、人をつくるのは本よりもまず、人との出会いであると 著者の場合は、親にはじまり、教会の牧師さんや、塾の講師、失意の赴任先のイギリスの古書店主など、その時に応じた出会いがあり、悩みや疑問…

本 WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜」佐渡島庸平さん著 現代人の ” 不安 ” と ” 情報の爆発 ” に対して、「コミュニティを作り出す」という方法で解決をはかり、また、その「コミュニティ」はどういうル…

本 中の人などいない

「中の人などいない」浅生鴨さん著 鴨さんを尊敬してしまった 目的地があると迷う人(@本人談)なのに、新しい道を自分で切り開いていく嗅覚と覚悟が補って余りある * * * 鴨さんは、勝手に会社(NHK)でツイッターの非公式アカウント@NHK_PRを始めて、…

本 悪人正機

本 「悪人正機」語り:吉本隆明さん 聞き:糸井重里さん * * * 糸井さんは、吉本さんから多くのことを学んだと常日頃言っていて、僕はその糸井さんの言葉を「ほぼ日」を通じてここ十数年毎日のようにあびてきた しかし勝手な自称孫弟子と言っても、吉本さ…

本 神は詳細に宿る 感想5

「神は詳細に宿る」養老孟司さん著 感想5 普通私たちが考えている、事実とそれに対するリアクションとしての行動は、例えば 「A.彼はウソをつく(だから悪いやつ) → C.私は彼を非難する」 という反射的な行動が多いと思う 著者は、AとCの間に隠れている「B…

本 神は詳細に宿る 感想4

「神は詳細に宿る」養老孟司さん著 感想4 今の日本に生きていて、なんとなく ” 行き詰まり感 ” を感じる グローバル化やAI化や人口減で、社会と自分の人生の先行きが分からないこと、自分の加齢など漠然とした理由ならあげられるが、その根本の視点を養老さ…

本 神は詳細に宿る 感想3

「神は詳細に宿る」養老孟司さん著 感想3 養老さん曰く ヒトが使う情報系には2つある 遺伝系と神経系 言われてみるまで気づかなかった とくに神経系が情報を扱っていると意識していなかった 自分の言葉で言い換えると、 ・化学物質による「情報」の保存を…

本 神は詳細に宿る 感想2

「神は詳細に宿る」養老孟司さん著 感想2 * * * もし「今から『情報』を定義してください」と言われたらどう言えるだろう? ①物事の属性の一つ、②見えないもの、③抽象化したもの・・・(今ひとつ) そこに養老さんはこれ以上ない明快な定義を言う 時を経…

本 神は詳細に宿る 感想1

「神は詳細に宿る」養老孟司さん著 養老さんの言葉に「え!?」と「なるほど〜」があまりに多かったので、数回に分けて感想を書く。 * * * 曰く、19世紀までは「情報」という言葉(定義)がなかったと。 たしかに「情報」は、明治の頃に輸入された概念に…

本 どこでもない場所

「どこでもない場所」 浅生鴨さん著 どこでもない場所 作者: 浅生鴨 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2018/09/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 私はアソー・カモ族の一員、アソカ・モーレである アとモが名前に入っているのがその証である …

本 「自分メディア」はこう作る!大人気ブログの超戦略的運営記

「『自分メディア』はこう作る!大人気ブログの超戦略的運営記」ちきりんさん著 * * * 著者は自分の頭で考える人生を送ってきた人だ。 いまの世界がどうなっているのか?を語れる数少ない人だと思う。たとえば、今の仕事のあり方は昔とどう変わったのか?…

本 吹上奇譚 第二話 どんぶり

「吹上奇譚 第二話 どんぶり」吉本ばななさん著 この小説は生き生きしている 今までの小説も好きだったけど、言うなればそれは、あの世とこの世みたいな二つの世界が別れていたがゆえに、ある種の秩序を保った静謐な感じを湛えていた この本では作者がまた一…

本 Python データサイエンス ハンドブック

「Python データサイエンス ハンドブック」 画像を行列処理する場合には、この本がなきゃ話になんねーよってくらい大事な本。 * * * たとえば、行列の各要素に何かを足すときに、for ループを回すことなく、 >>> myArray = np.array([1,2,3,4]) >>> myArr…

本 他人だったのに。

「他人だったのに。」糸井重里さん著 糸井さんは、どうしてこんなことを思いつくんだろう?という、皆が思う思いを今回もまた深く味わった。 * * * 殺し屋は「代理人」だからうまくいくって、言われるとそうだよなーと思う。関係者だと感情が邪魔して上手…

本 しょぼい起業で生きていく

「しょぼい起業で生きていく」えらいてんちょうさん著 これは、” 現代版百姓のススメ ”だと思う。 筆者曰く、「しょぼい起業」とは、「今ある、あなたの生活」をお金をかせぐ仕組みにしていき、草むしりのお手伝いとか、”存在することが仕事”みたいなことか…

本 空をゆく巨人

「空をゆく巨人」 川内有緒さん著 人が人とつながることで、新しいものごとがどんどん生み出されていく、大きな物語を読んだ気がする。 この本には二人の巨人が出てくる。アーテイストの蔡國強さんと協力者の志賀さん。どちらも個人としても面白いのだけど、…

本 新しい分かり方

「新しい分かり方」佐藤雅彦さん著 モノゴトの ” 分かり方 ” に今までと違った分かり方がある、というのが新鮮。もしくは、自分が ” どう分かっている ” のかを考えさせられる。 正直、何度も読み直さないと今までの理解の範囲で、 ” 分かったふり ” をして…

本 精神科医が教える 良質読書

「精神科医が教える良質読書」名越康文さん著 「空海が日本という概念を発明したのではないか?」というアイデアを思いついた著者。そのアイデアを考えていくために、関係する本をどんどん読んでいく「本を思考の道具として使う具体例」が最終的に一番参考に…

本 つぼみ

「つぼみ」宮下奈都さん著 この短編集で「いけばな」の魅力を初めて知った。 いけばなの稽古というのは、それぞれの花の方向性や瞬間を感じる技術を磨くことと、その感覚を意思を介在させないで手に伝える訓練をすることなんだと思った。 つぼみ 作者: 宮下…

本 退屈なことはPythonにやらせよう

「退屈なことはPythonにやらせよう」Al Sweigartさん著 * * * 上司:「君、プログラムできるんだっけ?」 部下:「趣味程度ですができますよ?PythonってプログラムでAIとか…」 上司:「おおっ!そうか。いやいや、そんなAIとかすごいのでなくていいんだ…

本 独学プログラマー

「独学プログラマー」コーリー・アルソフさん著 これからプログラミングの世界へ初めて足を踏みいれたい!という人の「最初の一冊」として向いている。 * * * プログラミングを始めてみると、最初にぶつかるのが「始めるまでの壁」。何がPythonというプロ…

本 猫も老人も、役立たずでけっこう

「猫も老人も、役立たずでけっこう」養老孟司さん著 養老さんの言葉はいつもよく分からない。いつかわかるようになることを楽しみにして、言葉のシャワーとして浴びている。 * * * 朝、起きたときに「私が昨日と同じ私である」という意識の働きは(養老さ…

本 不便益という発想~ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?

「不便益という発想」川上浩司さん著 ” 遠足のおやつは300円まで ” というルールの存在は、子ども心に工夫したり、考えたりして、楽しい記憶として残っている人は多いと思う。逆に " お菓子は幾らでもOK " だったら、特に楽しくもなく記憶に残っていなかった…

本 声をかける

「声をかける」高石宏輔さん著 道ゆく女の人に声をかける。自分がどう思われるかが怖くて声がかけられない。声をかけても無視される、拒絶される、たまに返事がくる。自意識過剰であればあるほど上手くいかない。機械のように応答ゲームをするほうが上手くい…

本 パパは脳研究者

「パパは脳研究者」池谷裕二さん著 この本の一番素敵なところは、池谷さんが「楽しんで・喜んで」子育てをしている所。我が子があれやこれや出来るようになる、親としての喜びとともに、人間が発達していく様を身近で観察できる、科学者としての喜びに溢れて…

本 美内すずえ対談集 見えない力

本 「美内すずえ対談集 見えない力」 ガラスの仮面の作者、美内すずえさんと、能楽師、武術家、物理学者の対談 人間の営みの限界は、つねに現代の科学の外側にあることを知った。美内さん自身が連載の中でその存在を実感したからこそ、人間の定義を広げる御…

本 サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい

「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」三戸政和さん著 中小企業の事業継承(個人M&A)と業務改善を通じて、「役員報酬」と会社という「箱」の売買で老後の資金を稼ごうという指南本。おもに大企業のサラリーマンで、マネージメント業務の経験者…

本 異教の隣人

「異教の隣人」釈撤宗さん他 日本で活動している数多の宗教の現場を取材したユニークな連載本。 * * * 前文の釈撤宗先生による「宗教の場の存在意義」の話がまず面白い。 宗教の場は、たんにそこで宗教の儀式が行われるのではなく、ご飯を一緒に作って食…

本 機械学習と深層学習 Pythonによるシミュレーション

「機械学習と深層学習 Pythonによるシミュレーション」 機械学習のライブラリを使わずに、シンプルなモデルを実際に作って学ぶ本。機械学習系を根本的に理解するのに最適。この本で概念の基本形を身につけて、実地で理論を自分で応用するのが黄金パターン。…