「想像ラジオ」いとうせいこうさん著
想像ラジオは、それを放送する人もリスナーも、それぞれの想像が電波となることで成立する
今日はどんな話が出て、どんな音楽がかかったのか
それぞれが、それぞれに想像する
そんなラジオは成立するのだろうか?
(ここからは、本の内容から考えたことを書いてます)
思えば太古の昔から、人はもう会えなくなった人とずっと話をしてきた
ある人にとっては生きている側の勝手な会話かもしれないけれど、ある人にとっては、自分の想像を超えた会話がそこに展開してびっくりしているかもしれない
* * *
小説家や漫画家は「キャラクターたちは途中から勝手に動き出すんですよ」という
「作者にできるのはキャラクターたちに環境を与えて、自由にさせることだけなんですよ」みたいな
これも、昔ならシャーマンと呼ばれていただろう人たちが、現代の仕事の中に応用しているだけかもしれない
* * *
そこに、いとうせいこうさんはもう一つ、想像を重ねた
個人的には「想像の想像ラジオ」と言っていいけど、本を読む人のために内緒にしておく
きっと、著者はこの本を出すのを迷っただろうと思う
でも最後には、この本があることで、この「想像の想像ラジオ」というアイデアがあることで、少しばかり自由を増やすほうが大事だと思ったんじゃないか
そしてそれは、太古の昔から連綿と続く人間の営みを、新たな形で作り出したんだろうと思う
・・・そうか、昔からある宗教的な儀式などは、人間のが自由を増やすためにあったんだ!
ということは、逆に想像を自らに禁止することで、人間は自由を失っていくのだろう