ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

「この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた」ルイス・ダートネルさん著

 

世界がなんらかの壊滅的ダメージを受けて、わずかな人類が生き残ったと仮定する
科学技術文明を保つ人的余力がないなかで、どうやって文明を再興していくかを考える
農業から始めて現代社会の基礎となる技術がどう出来ていて、あなたがそれにどう関われるかを解説していく

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この本を、以前紹介した斉藤幸平さんの「人新世の『資本論』」につなげるといいと思った
斎藤幸平さんの本の前提は、
https://www.fepc.or.jp/smp/enterprise/jigyou/world/index.html
にあるように、今までどんだけ科学技術が発展しても世界のエネルギー使用量は常に右肩上がりであり、環境負荷が減ることはない
つまりは「既に現在の資本主義の形ではやっていけないが、どうする?」からスタートしている

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となると、エネルギー使用量を過去のいつかの時代レベルに抑えないといけない
今までエネルギーが人間の労働を代替していたところを、本来のマンパワーや家畜パワーでやっていくことになる
おそらく地産地消型の社会になり、アメリカのアーミッシュの人たちを一つのモデルの極とするような、労働集約型の生産方式がメインになるんじゃないかと
今ある科学知識とエネルギーの消費が少ない技術は使うんだろうけどさ

 ・・・というわけで、この本が役に立つようになる
例えば農業は今は肥料を科学で作っている
全世界のエネルギーの1〜2%がハーバーボッシュ法でアンモニアを作るために使われていて、それが窒素になり農作物に欠かせない栄養として使われている

全世界のエネルギー使用レベルをどこまで落として、さらにどの分野にどれだけ使うか?というのにもよるけれど、例えば、窒素を得る方法として「肥溜め」を復活させることになるかもしれない

そういう全てを0から始める話が、人類が生きていくのに必要な分野を網羅している
住居、衣服、工業、医・薬、化学、通信、水力風力エネルギー、移動、アート、教育などなど

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個人的には、この本にあるように各分野の0からの技術を実際に使ってみる、というのをやっていきたい