「孟司と誠の 健康生活委員会」養老孟司さん・近藤誠さん対談
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「日本人はどこまで本気なのか」と聞かれたら、どう感じるだろう?
人によっては、そんな質問されたことないから、ちょっと戸惑うかもしれない
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著者の1人、医者の近藤さんは医療に関しての話をする
例えば、胃がんの原因と言われているピロリ菌を抗生物質で除去すると、たしかに胃がんになる可能性は低くなるかもしれないが、総死亡率は上がると
高血圧を下げる薬を飲むと、死亡率が3割上がると
・・・比較して、ヨーロッパの医療は日本より薬を出さないのが基本スタンスだと
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いったいこれは何の話だろう?そんな話聞いたことないから、近藤さんの話が間違っているんだろうか?
論文としてデータがあるという話だったから、「本気」で調べる人には ” 本当のこと ” がわかるかもしれない
もし近藤さんの話が正しいとすれば、なぜ、現状の日本の医療と方向性が真逆なんだろうか?
その視点の違いだけを考えてみたい
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言われてみると当たり前のことだけど、
「人間の体はその時点で最適のバランスになっている」
たとえば老化による血圧上昇は、体がそれを今必要としているから血圧の上昇であり、血圧を薬で下げることで、血が届かなくなる場所が生まれ、それが結果的に死亡率を高め得るという話は、なるほど理屈が通っている
日本では薬をすぐ処方するが、たとえば細菌は「38億年の生存競争の歴史」を背負っているわけで、数十年・数百年の歴史の抗生物質をを使ったところで、すぐに細菌に出し抜かれて効かなくなるという話も納得
つまり、養老さんや近藤さんの視点が新しく(もしくは古く)感じるのは
・「病気」<「体全体」<『自然全体の空間的バランス』の医療
・「遠い過去」と「未来」も含めた『自然全体の時間的バランス』の医療
をみており、
比較して多くの言説の視点は、
・『現在の経済システム内』での医療
になっているからなんだろう
結局、この「日本人はどこまで本気なのか?」という問いかけは
「私は、どこまで本気だろうか?」
を具体的な事例とともに自分で考えてみるしかないと思う
さらには、
「その私の ” 本気 ”が、どうして今あるような状態になっているのだろう?」
という別な問いがその補助線になる
そして「その答えを誰かにもらおう、という発想自体が ” 本気 ” の度合いだよね?」という二重構造の問いになっているのだなと
・・・意地がわるい(笑)
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最後に「本気」に関する個人的経験を一つ
・・・数年前、数百人が入る雑居ビルで仕事を始めたとき、非常階段が機能せず、火事の際、いつもの(唯一の)出入口からしか逃げられない構造になっていた
つまり、一階の出入口で出火が起こったら、もう誰も逃げられないのに、改善される話はどこにもなかった
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しょうがないので、非常階段の3階から外壁を超えて外に逃げるための「100kgまで耐えられるロープ避難梯子」を自分で作って、会社のロッカーに入れていた
(そのせいで荷物が全然入らなかった!)
実際にそのロープ避難梯子で上り下りの練習をしてみて、慣れても5m下がるのに1分はかかるので、もし実際にこの避難梯子が機能しても、火事の中で火が回る前に助かるのは(数百人いる中の)よくて10人だなと
さらに、その話が ” お局様 ” のお気に召さず、職場ではロープ避難梯子の話は ” 無い ” ことにされていた
会社をあげての防災どころか、お局様も説得しなかった程度の「自分の本気」