ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 Raspberry Piではじめるどきどきプログラミング

Raspberry Piではじめるどきどきプログラミング」阿部和広さん他著。

①格安のマイコンRaspberry Pi3 」の始め方

②ラズパイ上で動く、絵によるプログラミング「scratch」の使い方

scratchを使ってリアル世界を動かす第一歩、LED点滅プログラミング

という3つに的を絞って説明していてとても分かり易かった。

Raspberry Piではじめるどきどきプログラミング増補改訂第2版

Raspberry Piではじめるどきどきプログラミング増補改訂第2版

 

 プログラミング自体が初めての人には、②のscratchをつかった絵によるプログラミングが何より面白くて為になると思う。

まずは小さい猫の絵を動かすレッスンから始まって、マインクラフトの世界もプログラミングで作る面白さと便利さに繋げてくれるのは、プログラミングの醍醐味を分かりやすく教えてくれる上手なステップだと思う。

そして最後のステップで、リアルワールドにつなげる LEDをプログラミング制御で光らせるというのはほんとによく出来た本の構成だと思う。

ちなみにこのLEDをプログラミングで光らせることを「Lチカ」って呼ぶのを知ってなんか面白かった。プログラミングを学ぶと、最初に「hello world!」って表示させる練習をどの教本でもやるのと同じで。

 

この本で最初のステップを踏んで、あとはpythonとかの言語を学びつつ、

Raspberry Piクックブック (Make:PROJECTS)

Raspberry Piクックブック (Make:PROJECTS)

 

 とか 

Raspberry Piをはじめよう (Make: PROJECTS)

Raspberry Piをはじめよう (Make: PROJECTS)

 

 を買うのが正しいステップだと思う。

 

本 何度でもオールライトと歌え

「何度でもオールライトと歌え」後藤正文さん著。アジアンカンフージェネレーションのボーカル・・・って知らなかったけど。

新しいものは、最初は見向きもされない。それはなんだってそうだ。ただ、続けることで堰が切られる瞬間ってのが、絶対にやってくる。それまで続けられるかどうかだと俺は思う。水位は上がったり下がったりする。それに一喜一憂する瞬間も乗り越えなけれがならない。「意味がないのかな」なんて思う日もあるかもしれない。でも、それは、堰が切られるその一瞬のためにある。(本文より)

バンドのHPで書いていた日記を書籍化。今いる日本で、自分の言葉で、出会った出来事・政治を自分のこととして、体を張って音楽と社会人を生きている人だと思った。

何度でもオールライトと歌え

何度でもオールライトと歌え

 

震災・原子力発電・デモなど、著者と政治的意見が違う人はたくさんいると思うが、きちんと自分で考えて、自分の言葉を探して、相手をできるだけ傷つけない言い方を選ぶ人は信用に足ると思う。

東日本大震災のときに書いた歌だそう。


アジカン 後藤正文 砂の上

自分一人でがんばってて疲れた・・・って思う人に。

本 「超」老人の壁

『「超」老人の壁』養老孟司さんと南伸坊さんの対談。

例えばルールの話。障害者施設で19人を殺した犯行を基準にして、普通の人をコントロールしようとすること。これに養老さんは怒っている。

昔はあらゆる現場で、自分の体を張って ” 例外 ” に対処する人がいたんだろう。もちろん養老さんもその一人で。そのおかげで全体として今より気楽に過ごせた。

体を張る人がいなくなってきたので、「例外」への個別対応ではなく、新たな「社会全体に不便をかけて&実効性の薄いルール」による対策が講じられるんだろう。

”より安全だから”という言葉に思考停止すると、どんどん日常が窮屈になる。

超老人の壁

超老人の壁

 

自分は養老さんの言葉を生き方の指針として受け取っている。そのときに全部が理解できなくても全然よくて(実際無理だし)、今回響いた言葉を毎日の中に落とし込んで使えるように一つずつもらっていく感じ。

だからどんな形であれ、養老さんの言葉に触れられる機会はありがたい。長老の意見というのはこういうものだと思う。 

本 イラストで学ぶディープラーニング

「イラストで学ぶディープラーニング」山下隆義さん著。

この本はディープラーニング世界の現在の「目次」だと思う。

ディープラーニング " とは何か?、その具体的な手法として現時点でどんなものがあり、実用化するときの注意点などが一冊に簡潔にまとめられている。

イラストや図も多くて、カラフルだけどなんにも易しくはない。Σやexpの式は普通に出てきて、その展開が追えなくても数式の形からどういう話なのかを必死で食らいついく感じ(個人的には)。

ディープラーニングの概観を見るときに使って、あとは実際にその世界で仕事をするときに方向性を確認するときに振り返るためにある本かもしれない。 

イラストで学ぶ ディープラーニング (KS情報科学専門書)

イラストで学ぶ ディープラーニング (KS情報科学専門書)

 

その中で、” ドロップアウト ” という手法が、ヒトの教育にも使えるんじゃないかと興味。それはAIが少ないサンプル数で学んでいくときに、サンプル問題への過剰適応を避けるために考え出されたやり方で、処理過程の一部を毎回少しずつ使えなくすることで、結果として汎用的な処理方法が編み出されるというもの。

【基本モデル】

   ↗︎処理 ↘︎・・・↗︎処理↘︎

input →処理→・・・→処理→ output(△)

   ↘︎処理 ↗︎・・・↘︎処理↗︎

 

ドロップアウト追加モデル】

   ↗︎処理↘︎・・・↗︎  ×  ↘︎

input →  ×  →・・・→処理→ output(◎)

   ↘︎処理↗︎・・・↘︎処理↗︎ 

というように中間処理の一部を適宜使えないようにすることで、逆に汎用的に使える処理モデルが構築されるというもの。

ヒトの教育でいえば、問題を解くときにその「方法論」の一部を使えないようにして、少しずつ別な方法を混ぜて解かせると ” 応用できる理解 ” につながるんじゃないだろうか?

 

本 生産性 ― マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

「生産性――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」伊賀泰代さん著。

生産性が向上することが ” 仕事で成長すること ” という伊賀さんの定義に深く共感。この本を読んですぐ、「生産性を上げるためにキッチンタイマー」を買ったのと、なんで自分は「生産性をいままで意識してこなったのだろう」と考えた。

ひとつには、生産性を向上させ続ける必要性に晒されなかったこと。ゆるい環境にいたため、現状でなんとかなってしまったこと。もしくは生産性が低いままでもなんとかなる場所を無意識に選んできたこと。 自分はアイデアを考える人間で、その時に生産性を求めるのは違うと思っていたこと。

一番の理由は、命が限りある時間しかないって実感してなかったからかもしれない。

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

 この本を読むと、仕事というフィールドにおいて全然水準の違うところで働く人たちがいることがよくわかった。資料を一つ作るにおいても、新入社員と役員クラスでは10倍以上の生産性の差があると。その新入社員でさえ、マッキンゼーに入社できる頭の良さ全人口の上位1%以内のような人たちなわけで。

その生産性の大事さと、その向上がどんな職種にも(特にホワイトカラーにも)使える概念であり、その方法論をちゃんと教えてくれる。

・・・

ただ、みなが生産性を上げていけたとして、その先にはどういう世界になるんだろう。たとえば余暇がしっかり取れて、短時間で仕事が終わって、世界はバラ色!って感じに・・・はならない気がする。

 全員が生産性を上げ続けられるって仮定がそもそも現実性がないのはわかってるけど、おそらくゲームとして生産性をどんどん上げてみたらどうなるかな?って気持ちでいることを忘れないのが大事な気がする。理由は明確に言えないけど、とても頭でっかちな考え方であることだけは。

 生産性の向上は計測することから始まるので、ちゃんとタイムアップ機能がついてることが最低限。そして視界に常に入るものだから、センスのないものは論外という視点からこれかなと。生産性の向上が習慣になれば安い投資。

 とにかく生産性向上ゲームを真剣にやってみようと思う。

本 「良い質問」をする技術

「良い質問」をする技術。粟津さん著。

人は質問されたら自動的に考えてしまう脳の癖がある。考えて意識に上る回数が多いことを人はするようになる。だから、他人にも自分にもいつもと違う質問を繰り返ししてあげるだけで、行動が変わっていく。

「良い質問」をする技術

「良い質問」をする技術

 

 粟津さんの仕事が面白い。企業のコンサルではなくて、コーチ。コンサルではないという意味は、企業の社長などの話を聞いて質問はするけど、アドバイスはしないという。

質問だけで、クライアントである社長に「気づき」を、いくつも何度ももたらすからこそ、「質問をするだけのコーチ」として仕事が成り立っている。

個人な経験として仕事で、20歳前後の人に毎年何百と質問をしている。相手との関係性にもよるけれど、きちんと自分のことを質問をされることは実は嬉しいらしい。

「あの人と話すと、いつも新しい自分に出会える」って思ってもらえたら、新しい世界が開けそうな気がスル。

 

本 僕たちの居場所論

「僕たちの居場所論」内田樹さん、平川克美さん、名越康文さんの雑談的おしゃべり。

昔からずっと所を得てない感が消えないので読んだ。 

スターウォーズの”Force”の話になる。平川さんは人と話すときに ” Forceというべき強力な何か ” が使えると。それを自然に使ってることで大学院入試をさらっと通り、会社経営ではどんどん資金を集めることができたらしい。名越さんは一つ目の病院勤務のときにForceを使っていた。

しかしForceは才能だから人に伝えることができず、後進に伝えたり育てたりすることができるのは、自分が一から積み上げてきた物事しかないと。逆にForceをいかに使わないようにするかが肝要だとも3人はいう。

いったいForceってなんのこと?と思うんだけど、話してる3人たちも自分のForceはよくわかってなくて、他人から指摘されて初めて分かる。自分には最初から当たり前に出来すぎて、できない人のことがよく分からないような分野があればそれ。

自分のForceに早くに気づいて使えたら社会的に成功しやすいけど、それは結果的にその人をダメにしてしまうらしい。そのあたりの理路がいまいちわからんけど、Forceを持ってる3人が言うならそうなんだろう。その悩み先過ぎる!という人のほうが自分を含めて多い気がするけど。居場所を作るにはForceじゃなくて積み上げ式の努力なんだろうか。

 

居場所のそのものの話としては、名越さんが集団の中にいても個として存在してしまうことに共感。いま勤めてる会社でも同僚や社長から、営業枠、事務枠、⚪️⚪️枠(自分の苗字)と言われる。扱いにくいんだろうなー。ある集団内部にいてもその中に同質化せず、異分子としてうまく働くときは潤滑油だったり、トリックスター的な機能を求められてるんだろうなとは考えている。うまく機能しないときは辞めて欲しい候補No.1だろうなとも。。。そのあり方を是と考えられれば、どこ行っても所を得た感になるんだろうな。