「イラストで学ぶディープラーニング」山下隆義さん著。
この本はディープラーニング世界の現在の「目次」だと思う。
”ディープラーニング " とは何か?、その具体的な手法として現時点でどんなものがあり、実用化するときの注意点などが一冊に簡潔にまとめられている。
イラストや図も多くて、カラフルだけどなんにも易しくはない。Σやexpの式は普通に出てきて、その展開が追えなくても数式の形からどういう話なのかを必死で食らいついく感じ(個人的には)。
ディープラーニングの概観を見るときに使って、あとは実際にその世界で仕事をするときに方向性を確認するときに振り返るためにある本かもしれない。
その中で、” ドロップアウト ” という手法が、ヒトの教育にも使えるんじゃないかと興味。それはAIが少ないサンプル数で学んでいくときに、サンプル問題への過剰適応を避けるために考え出されたやり方で、処理過程の一部を毎回少しずつ使えなくすることで、結果として汎用的な処理方法が編み出されるというもの。
【基本モデル】
↗︎処理 ↘︎・・・↗︎処理↘︎
input →処理→・・・→処理→ output(△)
↘︎処理 ↗︎・・・↘︎処理↗︎
【ドロップアウト追加モデル】
↗︎処理↘︎・・・↗︎ × ↘︎
input → × →・・・→処理→ output(◎)
↘︎処理↗︎・・・↘︎処理↗︎
というように中間処理の一部を適宜使えないようにすることで、逆に汎用的に使える処理モデルが構築されるというもの。
ヒトの教育でいえば、問題を解くときにその「方法論」の一部を使えないようにして、少しずつ別な方法を混ぜて解かせると ” 応用できる理解 ” につながるんじゃないだろうか?