ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 いきものがたり

水野良樹さん著「いきものがたり」

いきものがかりの馴れ初めや、路上ライブ時代、デビュー、曲作りなどなど、ファンにはたまらない内容。

読んでいて不思議だけどなんか納得するのが、いきものメンバーが「その場その時として正しいこと」をしていると周りの人が助けてくれるということ。デビュー前のバックバンドをやってくれた友達、ライブハウスの責任者から、マネージャー、ディレクターなど常にその時に必要な人が現れて助けてくれる。それが今に繋がっている。

友達にそういう ” 正しい振る舞いができる ” 人がいる。学生時代に写真を始めて、近所の写真屋のカメラマンを初めとして、どんどん師匠や先達をみつけて技術や世界が広がっていって、会社人を経て結局、世界的な写真家になってしまった。

いったい" 正しい振る舞い " ってなんなんだろう。「何かを自分発の思いで始めるんだけど、その中心は自分ではなくて、自分すらその実現したいもののパーツの一つに過ぎないような振る舞い」なんじゃないだろうか、と最近思う。

いきものがたり

いきものがたり

 

 本を読んでいたら7番目のシングル「茜色の約束」の話が出てきた。ちょうど会社の同僚とバンドで練習してる曲。「出会った二人が幸せでいるんだけど、別れの時まで意識してる感じ」という不思議な歌詞。

そしたら文章の続きに、つねに「死」を意識してすべての歌を書いているとあった。ラブソングの言葉ですら、永遠の愛などはリアリティが感じられないと。人生の有限性を少し強めに歌詞に出してる所も共感されているんだろうか。そういえば昔付き合ってた彼女がけっこう幸せ絶頂のときに、いつかどっちかが先に死んでさよならしてしまうことを思って涙ぐんでいた。結局その前に別れてしまったけど。

閑話休題

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現在の活動休止は、それが「いきものがかり」をめぐる人たちにとって、一番正しい振る舞いで、「いきものがかり」を生かしていく手段なんだろう。

2週間後が同僚とのバンドのライブ。一年に一回だけでメンバーは毎回違う。なまものっぽさだけ勝手に親近感。