「学ぶ心に火をともす8つの教え」武内彰さん著
学校のあり方の一つの例を書いた本だけど、教育機関に限らず使えると思う。
たとえば、日比谷高校ではどの先生の授業も他の先生が見学に行っていいという。授業技術を共有化してチームとして蓄積していき、(先生の能力差による)生徒の不公平感を減らすためだという。
問題はいやがる先生にどうやって協力してもらうかだろう。その時に「共通の判断基準(その集団の目標や理想)」があれば協力を得られやすいし、「相互に見学を受け入れるのが当たり前の文化」を育てていくスタンスが大事なんだろう。
学ぶ心に火をともす8つの教え 東大合格者数公立No.1!! 日比谷高校メソッド
- 作者: 武内彰
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
また、生徒に自分自身を把握してもらうための面談を年4回やっていると。
現在の苦手科目は何で、どう伸ばしていくか、目標をどこに設定するか、学習の障害になっていることは何かなどを、教員と話してデータベース化していく。
そのデータベースがあることで、生徒は自分が3年間というプロセスのなかのどういう位置付けにいるか、どう成長してきたかなどを確認できるようになる。
さらにその情報は担任以外にも他教科の先生も把握でき、どの先生でもその生徒の相談に乗ることができるようになる(どの先生に相談しても良いと校長先生が宣言している)。
* * *
これ以外にもたくさんの取り組みがあるのだけど、生徒の大学合格がゴールになっていないことは大事なことだと思う。高校生という時間を全方向に使い切って、それが生徒の個人として、集団としての成長につながり、結果合格もしていく。
そうやって伸びていく生徒の可能性を、校長先生自らが信じきるからできる学校のあり方だと思う。
* * *
このあり方を一つでも実践していきたい。