「ヘンテコノミクス」佐藤雅彦さん、菅俊一さん、高橋秀明さん著
・経済合理性マインド + ”α” の部分を漫画にしてある
最初のテーマ「報酬が動機を阻害する」が面白くて怖い
ご老人が住んでる一軒家の壁に、小学生の集団が落書きをするようになった
叱っても次の日にまた落書き。さて、あなたならどうやって辞めさせる?
本書の回答は、
「落書きをするたびにお小遣いをあげて、しばらくあげたのち突然あげるのを止める」
というものだった
小学生の子どもは最初、「イタズラしたい怒らせたいという動機」で落書きをする
だから、「相手を怒らせたり、落胆させることが報酬」のうちは、何を言われても辞めない
* * *
しかし、落書きのたびにお小遣いをもらってしまうと、嬉しさのうちに、「落書きの報酬がお小遣い」というように動機を変更させられてしまう
ある日、落書きをしてもお小遣いがもらえなくなると、報酬が得られないことはしたくない、となる
* * *
この理論を自分たちの生活にあてはめると、
・仕事で、「内容が好きで楽しくやっている時に、成果に応じて報酬を増やされる」というのは、いいことなんだろうか?
・子どもの教育で、「この問題が解けたら褒める、おやつをあげる、お金をあげる」というのは、いいことなんだろうか?
* * *
・・・そもそもの動機と違う報酬を与えることは当然ありだけど、報酬のあり方はそれぞれの対象ごとにあったほうが、人間の活動が活発になるのだろう
逆に「そうはいうても人間金がすべてやろう?」という報酬のあり方は、リアリストのようでいて、実は人間がやる気をなくして、社会が停滞・衰退していくやり方なんだろう