ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 ありふれた祈り おいしいコーヒーのいれ方

おいしいコーヒーのいれ方」の最終巻が7年ぶりに出ましたよ!!

村山由佳さん、ありがとう!!

連載開始から25年、とうに自分が勝利やかれんの年齢を過ぎてしまっても!

(げっ、マスターの年も・・・)

* * *

(ネタバレはしません、このシリーズのファンの人に書きます)

恋人のお兄さん夫婦の赤ちゃんを、自分のミスで亡くしてしまった勝利が、どう自分を受け入れるか、周りの人との関係をどうしていくか?

かれんとはどうなるの?

・・・筆者が7年の間、筆が進まなくなった気持ちはちょっとだけ分かります

作者としても大好きな作品に一粒の嘘も書きたくない

自分が納得して書かなければ気が済まない、だから書けない

* * *

想像するしかないですが&勝手なことを言いますが、作者自身が成長する必要があったんだろうと

勝利と同じ経験をすることはなくとも、その苦悩の深さと同じところまで降りて行って、さらに戻ってくる作業が必要だったんだろうなと

* * *

村山由佳さんファンとして正直な気持ちでいうなら、「おいコー」系の明るい青春もの以外の作品は、あんまりピンと来ませんでした

あくまで「おいコー」を中心とした見方でいうなら、7年間の作者のもがきが別ジャンルの作品を生んだんだろうなと思います

そこで「いろいろな人間の業」を書いて書いて、やっとたどり着いて戻ってきたのが7年後の今だったんじゃないかと

 個人的にもそうですが、この本のファンは長年読み続けるなかで、自分の人生における「かれん」や「勝利」や「星野」、「ネアンデルタール」、「丈」、「京子」、「マスター」や「ゆりこ」さんがいるのだろうと思います

読者の自分の人生の出会いと別れひとつひとつが、「おいコー」のアナザー・ストーリーのように感じられたり

・・・過去に小説の中のかれんの声が、当時付き合ってた女の子の声で脳内再生されていたのが、最終巻を読んだ今は現在のパートナーの声になってることに気付いたり

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本に話を戻すなら、7年の肩の荷が降りた作者にはぜひ、勝利がオーストラリアにいってる間の、日本でのみんなの生活の話を外伝編として書いてほしい

この最終巻は勝利を描ききることが大事なことであり、それは分かるから、かれんの日常とか星野とネアンデルタールのアレコレとか

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ともあれ、作者の村山由佳さんにありがとうと言いたい

この小説に出会えて僕は幸せです