ディープラーニングがビジネスにどう使えるか、のまさに入門書。
A.I.と機械学習とディープラーニングの違いを説明してくれる所から始まる。全体としてとても丁寧な説明で分からないということがない。
googleのトップ技術者たちによる説明と、実際の企業で使われている例で、技術的な現状の限界と実際に使われている現状がよくわかる。
ディープラーニングを使う技術的な方法論として、
1.分野ごとに 完成(学習)されたディープラーニングをAPIを通じて使う
2.TensorFLowというディープラーニングの型を使って自前で学習データを用意する
3.ディープラーニングの型から、学習データまで全て自前で用意する
現状では、1.のAPIを使う方法論ですら、それに対応できる社員がいる企業のほうが珍しいだろうから、今使うなら専門の会社に頼むことになると思う。本にもあるけど、ディープラーニングの手法はコモディティー化するから(エクセルレベルになるんじゃないか?)、使う宛先のアイデアが勝負になってくるはず。
本筋ではないけど、ニューラルネットワークの層の数が、それぞれ違う特徴量に対応していることを初めて知った。だから例えば、画像の数字認識くらいだったら、色の識別とかがなく形の要素だけなので3層程度以上層を増やしても正答率が上がらないのだろう。
そういうミニマムな手法レベルの具体性から、ビジネスの具体性まで全体像がよくわかる本だと思う。