ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 すいません、ほぼ日の経営

「すいません、ほぼ日の経営」 糸井重里さんインタビュー by 川島蓉子さん

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もし、自分がほぼ日の社員だったら、どういう毎日になるんだろう?

企画はプレゼンする必要はないけど、「これがやりたい!」を話して、周りの社員がどんどん興味を持ってくれたら、プロジェクトになっていく会社。

もちろんそれは、そんな簡単なことではなく、自分の思いを底の底まで掘り下げて、なにがそうさせてるのか、そこにどんな要素があるのかを考えに考えないと、周りの人にスルーされて、何事も起こらない。

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仕事を振ってくれる上司もいないから、他の社員が始めた企画に、必要な人材としてお声がかかれば仕事があるけど、声が掛からなければ何もすることがない。

そんな毎日はキツイかもしれない。

とことんまで自分の思いを見つめたり、もっと何かないか?と何度も突き詰めて考える経験は自慢できるくらい少ないから。

すいません、ほぼ日の経営。

すいません、ほぼ日の経営。

 

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この仕事の進め方からでも、ほぼ日は、厳しさの質が他と違うことがわかる。

個人として、ほぼ日と同じ種類の厳しさを追い求める人はいるだろうけど、組織集団としてこの厳しさを求める企業はごく稀じゃないだろうか。

でもこの厳しさは真っ当な気がする。

ほぼ日に属してなくても、一人ででも、自分の思いをどこまで掘り下げられるか、その企画をどこまで考え尽くせるかは毎日できる。できるのにやってない自分にどういう仕組みを作ればできるんだろう。どうやったら、ほぼ日のまっとうな厳しさを毎日の自分に課すことができるんだろう。

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さらに、もし自分が組織を起こす立場になったとき、ほぼ日が体現している一つの理想の形に近いものをその組織に存在させられるだろうか?

その時にこの本を改めて読んだら、なんて自分は言うんだろう。

本 スモー・スタート あえて小さく始めよう

 「スモー・スタート あえて小さく始めよう」水代優さん著

起業の際に小さく始めることがいいという教え、の主題は置いといて、著者の日常でどういうことを気をつけているかの小さい話が面白かった。

一日1回は、「今はそうでもないけれど、将来、絶対に大事になること」を考える時間を確保しています。(本文より)

著者は「重要だけど緊急ではないこと」の処理が上手だなと。「重要で緊急なこと」は誰もがやるけれど、2番手のこの「重要だけど緊急でないこと」を、きちんと時間を作って対処する所が著者の一番のすごさかもしれない。

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このことを自分の問題として考えてみると。

たとえば現在企業で働いている人でも、将来おそらくAIによる雇用の削減に直面する。今すぐには関係ないかもしれないけれど、将来必ず自分に関係してくる大事な問題。それに対して、何か手をきちんと打ててる人はごく少数だろうと。

その時間を毎日取って対策を練り、対策を実行すること。それをやるだけで全然違った人生になっていくのだろう。

スモール・スタート あえて小さく始めよう

スモール・スタート あえて小さく始めよう

 

他にも。

僕にとって最悪なのは

「土曜の午後2時に美容院を予約する」こと(本文より)

週末に予定を事前に立てない著者は、その時のお誘いや出会ったものに導かれて、偶然を楽しみながら週末を過ごしたいのだと。だから、その休日のど真ん中に動かせない予定を入れるなどもってのほかだと。

これも「重要だけど緊急ではないこと」の一つと言える(笑)それを間違った処理をしたのが、土曜の午後2時に予定してしまうことなんだろう。

 この視点だけからこの本を読んでもきっと得られることは多い。

「カオナシ」は顔を無くした「でいたらぼっち」だった

もののけ姫」に出てくる「シシガミ様」こと「でいたらぼっち」の首を刎ねられた姿が、「千と千尋の神隠し」の「カオナシ」であることに気づいた(勝手に)。

「でいたらぼっち」が首を刎ねられ、コントロールを失って周り中の生命を吸い取り巨大化していく姿はまさに「カオナシ」の狂乱状態。つまり、首を刎ねられた「でいたらぼっち」が仮面で封印されたのがまさに「カオ(顔)ナシ」なんだろう。

顔がないだけじゃ説明になってないから「お前はいったい何なんだ?」と聞かれたら、カオナシの正体はまさに名前のない「自然そのもの」なんだろうと。

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カオナシは、ずっと自分の「頭」を探してきた。”それ”なしでは調和が取れず、いつ狂ってしまうか分からない。自然そのものであるカオナシは富を生み出す源泉でもあり、そこに人間が欲を持って接すると、コントロール不能になってしまう。

一度首を刎ねられてしまったカオナシは、もう絶対的に何かが足りなくそれ自身は自分が手に負えないものになってしまった。

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 しかしもし仮に、カオナシが「千」を手に入れていたらどうなったんだろう。「千」はカオナシの「頭」になり、カオナシはやっと調和の取れた状態に戻り、生と死を司るシシガミ様に戻るのだろうか。

もちろんそんなことはありえない。「千」を手に入れたカオナシは、やはり狂ってしまのだろうと。

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カオナシはもうシシガミ様には戻れない。頭を永久になくした「でいたらぼっち」として、ふわふらと人間社会やそれ以外の世界を歩き続けていくのだろう。

人間が出来ることとしては、カオナシに気づいたら、きちんと仲間の一部として役割と仕事と敬意を払って暮らしていくほかはない。

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結局、カオナシの「顔」とはいったい何なんだろうか。自然に顔なんてないのだから、あくまで人間が接したときにそれに相当するものを勝手に作り出しただけのことではあるけれど。

なんとなくカオナシの「顔」というのは「調和」という概念じゃないかと思った。人間が接するのでなければ、カオナシカオナシですらなく、名前を持たない何者かに戻る。そこで何が起きていようとも、人間にとっては関係がないから認識もない。

人間が接した時点で「でいたらぼっち」はカオナシになり、ちょっとしたきっかけで調和を欠いて荒れ狂い出す。

そういう「自然」のあり方を二つの映画は静かに伝えているのかもしれない。

本 吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる

吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる」吉本ばななさん著

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「断り方」がとても参考になる。

たとえば「お金もないし、今日泊めてくれ。泊めてくれないと自殺する」と言ってくる友だちや知人が現れた時。断ったらその人は本当に自殺するかもしれない。ばななさんは実際に断って、のちに自殺してしまった知り合いもいるという。

それでも、断るときは誠意をもって断ればいいと。

その人と自分の関係性に従って判断し、「違うな」と感じたら「私には私の時間があり生活がありリズムがある。あなたには生きて欲しいと願うけど、ここで私が泊まらせるのは違う」ということをきちんと伝えると。

もちろんその人がその時の自分にとって大事な人だと思えるなら、そのまま泊めればいい。自殺をほのめかす人が本当の意味で、大事な人である可能性は低いと思うけど。

吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる
 

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ばななさんのこの本を読んで腑に落ちたのは、ちゃんと自分の限界を知っておくこと、まず自分と周りの人をきちんと大切にすることだった。

有限な力しかない自分が果たすべき役割はちゃんとあり、自分の力はまず第一に自分と周りの親しい人に使っていい。キャパシティ・オーバーのお願いは断っていい。

この「断っていい」という感覚を知ることが大切なんだと思う。そして自分を害することに対して「誠実に自分の思いをその場で伝える」ことが必要なんだと。

悩みの半分くらいはこのちゃんと「断ること」で解決するんじゃないだろうか?

AI vs 教科書が読めない子どもたち

「AI vs 教科書が読めない子どもたち」新井紀子さん著

科学者の本気に感動した本。

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著者が行なった日本の中高生に25000人に行ったテストの結果から、高校2年生で、教科書の文章の言葉の対応関係が分からない生徒が2割いることがわかる。

たとえば「主語述語の関係」が読み取れないとか、「これ、あれ」などの指示語が何について言ってるかが、高2の2割は分かっていないと。

この段階ではまだ文章の「意味」に到達していない。 文章の「内容や意味」の理解になると、高校2年生で5割だけができる。

逆に言うと、半分の生徒は教科書の文章の「意味」が分からない。この状態で、問題を解くとか実際何をやってるんだろうか?

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「意味」が分からなくても対応できる仕事はAIに持っていかれる。つまり半分の生徒にはホワイトカラーの仕事はもう残っていない。今働いてる人たちにも。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち
 

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今のAIは「論理・確率・統計」で成り立ち、「意味」がその仕組みに含まれないので、シンギュラリティは迎えない。当たり前だけど物事の「意味」が分かってない状態で出来ることは、それがどんなに早い速度であろうと「処理」のレベルを超えない。

だからスーパー頭脳的な意味でのAIの心配はとりあえず要らない。ロボットに社会が乗っ取られるとかもない。

でもリアルな現実として50%のホワイトカラーは職を失う。いま学校で学んでいる生徒たちの50%はホワイトカラーの仕事にありつけない。その数字が一致しているのはある意味当然で、大失業時代が来る。

運良く自分の仕事がAIに代替されなくても、社会全体が大不況になった時に、税金がどうなるか、治安がどうなるか、環境がどうなるかを考えれば、人ごとに出来る人はいない。

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著者は教育の分野で、教科書の「意味」まで到達できる生徒を増やすことに情熱を注いでいる。それがAI時代にホワイトカラーの仕事を持つための最低限になるから。

働いている人は自分たちでなんとかするしかない。自分たちを再教育するなり、新しい仕事を作り出していくしかない。全員がうまくいくとかは思えないけど、いっときの苦労はあれど、人間にしかできない仕事を探して考えて作り出していく、というのは同時に幸せなことでもあるかもしれない。

「意味」が分からずとも仕事になってしまう仕事は、それをやっている本人の何か大事なものを常に削り取っていってる気がするから。

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この本を読んで、AIのリアルと、学力のリアル、将来の仕事のリアルをそれぞれ肌身で感じた。そして、その3つがちゃんと繋がりを持って語られる様に、科学者が本気で伝えようと科学の手法を使うと、こんなに精緻で意味のある成果が出せるんだと。

ベストセラーになるのもうなづけるし、統計の結果から言ってもこの本を読める人も限られているだろうから、読める人はぜひ読んで、周りの人を助けるのが一番できる現実的なことだろうと思う。

本 初心者のためのPython活用術

 「初心者のためのPython活用術」

情報密度がえらく高い本。Pythonを始めたい人と、独学で学びつつあって視野を広げたい人にオススメ。Pythonにはどんなライブラリがあって、それを使ってどんなことが出来るかを、実稼働のプログラミングとビジュアルで網羅している。

初心者のためのPython活用術 (日経BPパソコンベストムック)

初心者のためのPython活用術 (日経BPパソコンベストムック)

 

基本的な用語と関数の説明から、Anacondaのインストール 、画像処理、GUI、アプリ、CSVSQLite、統計、数学、機械学習、ゲーム、ブロックチェーンまでまで全部実例があるのがすごい。そして気持ちいいくらい無駄なページがない!

この本でとりあえずPythonのいろんな分野に手をつけてみて、さらに学びたくなったらオライリーに手を出すとかでいいんではないだろうか。

独学の人に本当にオススメ。

 

p.s.プログラミング初心者にはプログラムそのものを学ぶ別の本が必要ではある。あとJupyterの使いかたを別のところで学ぶと。

 

「アートクレイシルバー」と「スワロフスキー」でアクセサリDIY

「アートクレイシルバー」と「スワロフスキー」でアクセサリを作るDIYのコツ

 

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 *night princess 

 

出来上がりは親指の爪くらいなんだけど、綺麗に作るのは本当に難しい

アートクレイが、指や作業台について乾いて無駄になっていく・・・

 

いくつか失敗して、型を作ることを思いつく

消しゴムに「月の形」を彫刻刀で掘って、アートクレイをはめ込んで固めることに

そして、最後にスワロフスキーを埋め込んだのが上の写真

 

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(作り方前半)

・消しゴムに穴を彫る

・消しゴムの型にアートクレイを埋め込んでから、30分ほっておく

・30分待って、型から取り出して穴を掘ると、形が崩れず綺麗な穴があく

・穴は、プラスのドライバーをアートクレイの表面にあてて、かるーく回す

 

・ここで、板ダルマを半分固まったアートクレイに差し込んでおく

・この完成品サイズだと、ダイアモンド型のスワロフスキーは、pp18のサイズがいい

 

スワロ スワロフスキー チャトン【pp18】【クリスタル】

スワロ スワロフスキー チャトン【pp18】【クリスタル】

 

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(作り方後半)

・ 1〜2日乾燥させたあと、コンロの火の当たる部分で5分で焼く

・焼いてる途中にぼーっと赤色に光る

・ちなみに炎にずっとあてたり、手持ちのバーナーとかで温度を上げすぎると、銀がトロトロの液体になり、網の目を潜って下に落ちていき、大変あぶない!!(やった奴が言うから間違いない)

 

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・この後冷えるまで待って、硬くなったアートクレイを、鉄のブラシで磨く

・スワロフスキーを、アートクレイの表面に開けた穴に、瞬間接着剤でとめる

板ダルマに、バチカンをひっかけて、最後にチェーンにつないで出来上がり

・完成!!

 

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(全般的な知識)

初めての人は、焼き用の網と鉄のブラシの入っている「はじめてキット」が便利かも

個人的には、あとからアートクレイだけ買い足している

 

アートクレイシルバー はじめてキット A-171

アートクレイシルバー はじめてキット A-171

 

 

・2cmの半月を作るなら、アートクレイは4gぐらいで十分

・保存は、水を含ませたティッシュとかと一緒にすれば、多少は可

・アートクレイは無駄が出ることは覚悟

 

アートクレイシルバー 10g

アートクレイシルバー 10g

 

 

 

これで世界に一つだけのものができあがり!

アートクレイの扱いはかなり難しいけど、スワロフスキーがいい感じに派手にごまかしてくれるのがありがたい