久しぶりに小説にはまる。荻原規子さんのレッドデータガール。青春と成長ドラマの王道ストーリー。本の世界にトリップさせてもらう。

- 作者: 荻原規子,酒井駒子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
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ここから話はまったくこの本とは関係ない話。
最近ギターを練習してて、音楽は同時にいろんな音色や歌声を重ねて同時に聞き取れてすごい情報量が一度に処理できるのに、本は一本道のテキストデータが脳で処理されていくのがすごくまどろっこしいなと。
で、考えたのは、実は脳はもっと同時に処理できるんじゃないか?と。
新しい形の読書ができないかと2つ提案。
⚫️一つは、二つの本を同時に読むこと。文字に目の焦点を合わせなければ、両方の話が同時に目に入ってきて脳内で情報に変換されないかな??例えば、夏目漱石の「こころ」と「草枕」でおためし。
A:こころ
B: 草枕
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A:私はその人を常に先生と呼んでいた。
B: 山路を登りながら、こう考えた。
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A:だからここでもただ先生と書くだけで
B: 智に働けば角が立つ。情に棹させば流さ
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A:本名は打ち明けない。これは世間を
B: れる。意地を通とおせば窮屈だ。とかく
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どうだろう?慣れてきたら3つとかもできるんじゃないかな?
⚫️もう一つは日本人はよく慣れている漫画の手法を文字だけでやってしまうやり方。つまり、背景や風景描写の流れと、会話や心情の流れを同時に目に入れていく。こっちのほうがありの気がする。ただこちらはそういう文章を作ってみない限り、実験にならないんだけど、ためしに「こころ」のそれに近い部分を抜きだしてみたので、同時読みのお試しを。
A:背景/情景
B:台詞/心情
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A:その言葉は森閑とした昼の中うちに
B:「私の後あとを跟つけて来たのですか。
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A:異様な調子をもって繰り返された。
B:どうして……」「誰の墓へ参りに
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A:先生の態度はむしろ落ち付いていた。
B行ったか、妻がその人の名を
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こうやって読んだら、音楽のように和音となって頭のなかに何かが響いたりしないかな?内容やストーリーの技術だけじゃなくて、言葉や話の和音の脳内響きとしての技術なんてのが新しく開発されたり。