ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 計算する生命

「計算する生命」森田真生さん著

個人的に大学の数学と物理で躓いたクチなんだけど、その理由がよくわかった

・高校までの数学は18Cまでの体系で、「直観」でわかるもの(それでも難しいが!)

・大学からの数学は19C以降のもので、「直観できない概念による操作」(リーマン面とか)

この「学ぶものの質的な違い」を、もっと言語化してくれる先生がいたらとは思う・・・大学の勉強が、「なんでこんなに分からないかが、分からなかった」から

閑話休題

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この本は、数字がまだなかった時代に、農作物の収量をトークンという概念を作りだして理解したことから始まり、デカルト幾何学に始まって、中世のカント、そしてリーマンやフレーゲまで、人間の認識の広がりと数学の関係を紐解いていく

自分の認識がどのように出来ているかを含む話なので、そもそも扱いが難しいテーマで、それに出てくる数学の話が難しいので、正直半分もわかっていない

しかし、自分の頭が18Cまでの数学や認識でほとんど出来ていて(多くの人もそうだと思うけど)、でも同時に科学や技術は(つまり日常生活の裏側は)、19C以降の数学を使って成り立っている

大きな分断がここにあることを知ったのはとても大事だった

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何ページもノートを取りながら読んだけど、これは読書会にして、「全員がわかるまで議論してちょっとずつ読む」が向いている本だと思う

そしてそれをするだけの価値がある本