「13歳からの地政学」田中孝幸さん著
ある国の「場所性」の視点を教えてもらったのは、目ウロコだった
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たとえば、「中国が南シナ海あたりで軍艦をチラつかせてるニュース」を知ってる人も多いと思うけど、それはなぜなんだろう?
今まで気にしたこともなかったけど、それには深い理由があった
「南シナ海には『海溝』があって、そこを中国は自分のものにしたいから」
・・・これでこの話の全体像が掴めた人はすごい!
「なぜ海溝を自分のものにしたい?」は後半につづく
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この話を考えるには核兵器からスタートしなくてはいけない
核兵器を持っている国というのは、核の置き場というものを考える必要がある
例えば、アメリカやロシアは核兵器を具体的にどこに置いてあると思いますか?
・・・僕はてっきり、テキサスやアリゾナの人が住まないだだっ広い場所の地下にあると思ってました
違うんです
陸地では、人工衛星やらなんやらで発見されて戦争の時に最初に狙われてしまう
だから核兵器は原子力潜水艦に積んであって、それは海溝の奥深いところを常に移動していて、場所が分からないようにしているのだと
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・・・原子力潜水艦って、単に原子力で動いているからついた名前だと思ってた自分の無知さよ(物理学科出身なのに!)
え、でも何万発も核兵器があったら、それを全部積む潜水艦の数ってハンパなくない?
操舵する兵士の数も必要だし、軍事費がうなぎのぼりになりそう
<<閑話休題>>
話を戻すと、核兵器を維持するためには原子力潜水艦が必要で、さらにそれが隠れるための浅瀬ではなくて、数千メートル級の海溝が必要になると
さらに中国の話に戻すと、東シナ海のあたりは大陸棚(数百メートルくらい)で、原子力潜水艦が隠れることができない
だから、数千メートル級の海溝を持つ南シナ海が欲しい
そのために南シナ海に人工島を無理やり作ってそこを排他的水域にすることを、隣国と火種になるのも辞さずに強行してると
・・・なるほど話が繋がった
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この本は、同じように「場所が物事を決めてる話」がたくさんあって面白いです
やっぱりネットじゃなくて足を使ってその場にいくことは、いつまでたっても大事だな