「海をあげる」上間陽子さん著
作者の離婚にまつわる話から始まり、友人、妹、娘、家族の話、沖縄の十代で風俗を仕事にする女の子たちへのインタビュー、基地の問題、海へと話は連なっていく
バラバラのテーマに見えて、そこには何かが一貫しているように感じる
話の途中から色濃く迫ってくる「沖縄」という共通点だけではなく、「この時代に生きる一人の人間である作者という存在」が、沖縄を含む全ての制度や社会に影響されてそこにあることを感じさせられる
つまりこれは「作者という私を軸にしたルポタージュ」じゃないかと思う
本の内容とは別のところで、すごい人間的魅力に溢れた人だな、なんて思って読んでいると、最後にそのハシゴを外される
作者はそんなに甘くない
「お前は何をする者だ?」