ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 不機嫌のトリセツ

「不機嫌のトリセツ」黒川伊保子さん著

付き合ってる人の不機嫌にどう対処しようか?と思って読んで、全然違うところばかり面白かった(不機嫌と関係ない話を書きます)

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英語人(英語を主として話す人)は、子音から子音の流れで音節を切り出して、子音を左脳で言語として聞いて、母音は右脳で聞き流す癖があるのだと

それに比べて日本人は母音で(言葉の)骨格を立てると(左脳で聞いてるのだろう)

ちなみに左脳は言語や論理の処理で、右脳はアート系だったり感覚主体の処理に使われる

日本語人のように、母音を軸とする話し方のほうが世界的にみて少ないタイプに属するそうな

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なるほど、英語圏の人が日本語を話すときの、「わたーしの、なまーえは」って、子音がメインの話し方って考えればよくわかる

以前、NHKラジオ英会話で子音に拍子をつけて英文を読ませる講座があったけど、あれは実に的を得ていたんだな(遠山顕さんナイス!)

次に、肘と手首の重心の使い方の差の話があった

小脳のタイプで人間は4つに分類され、「肘を重心に使う人 or 手首を重心に使う人」、さらにそれぞれ「外旋系、内旋系」の2種類に分かれて、計4種類のパターンがあると

4スタンス理論というらしい

でこれが何に関係するかというと、たとえば「肘&外旋」系のお父さんかお母さんに、「手首&内旋」系の子どもが、逆上がりや縄跳びを習うというケースを考える

親子で重心の使い方が違うから、子どもは親の真似ができずに一向に上手くならないということが起こりうる・・・というか普通に起こる

両親や親族一同わらわらと出てこれば、子どもと同じタイプの大人がいる確率が上がって、その人を真似れば子どもも運動ができるようになる

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これは大人でも、体を精密に使わなければいけない時には問題になってくる

武道とかスポーツで師匠やコーチの動きがすぐ真似られる人は、勘がいいとかもあるけど、そもそも小脳のタイプが同じだからかもしれない

でも、一般的にいってあなたと師匠やコーチの小脳のタイプは違う確率の方が高い

さらに教える側の人が4スタンス理論をわかってない場合は、「なんでこんな簡単なこともできないんだ!」と思ってたり、実際に言うかもしれない

その場合は学ぶ側がその動きの要点を解析して、自分で先生と違う重心軸で外旋なり内旋に直した動きで学ぶ他はない

手間はかかるし、大変だろうけど分からずに悩むよりは前に進めるはず

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全然不機嫌と関係ないやん!と思うけど、著者はそもそも脳の研究者であるから、脳の違い(or 使われ方の違い)というところで上の2つのテーマも出てきてんだろう

ちなみに4スタンス理論って初めて聞いたけど、それはきっとポリティカル・コレクトネスとして扱いづらいテーマだから、耳に入りにくかったんだろうと推測している

脳に違いがあるっていう話は、差別につながるからダメって短絡的に処理されてしまうから

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著者はこの本の前に「妻のトリセツ (講談社+α新書)」を書いてる(まだ読んだことない)

人間のトリセツって、「煎じ詰めればその人の不機嫌とどう向き合うか」だろうから、この本が総仕上げなんだろう

さて、本題の不機嫌対処の実践は・・・