ココロミにきみ

本と体とプログラミング

マンガ 恋は雨上がりのように

恋は雨上がりのように眉月じゅんさん著

知らない人に設定を伝えるなら、45歳の店長と17歳の高校生の恋

(ネタばれします)

しかし、この読後の清々しさはなんだろう?

登場人物たちの振る舞いがとても、まっとうな感じがするからだろうか?

高校生の瑞々しさとストレートさと、中年の何かを諦めた感が静かに描かれている

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お話を別の表現で言い換えるなら、ちょっとした昼さがりに、なにかのきっかけで異空間に入りこんでしまって、それはそれは素敵な時間が流れて、また現実世界にするりと戻ってくる・・・という感じ

周りの人たちは何かが変わったわけでもないし、そこに時間が少し流れただけなんだけど、その大事な時間を過ごしたことで、本人たちは新たな気持ちで・・・

その戻り方がきちんと年齢や経験に応じた具合で、17歳は力いっぱいに、45歳はそれなりにという力加減が絶妙

・・・個人的には年齢の近い45歳のほうに心情を重ねてしまうのだけど、漫画の最後で、頑張るでも諦めるでもなく、淡々と毎日を過ごすなかにほんの少しだけ違う要素が紛れ込んだという感じが、すごい好き

小説のような終わり方で、こんなマンガの終わり方は初めてかもしれない

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この漫画はもうこれで満点として、恋やセックスを切り口にしないで、「全然違う世界に住む人たちが、いっとき肩を寄せ合う」みたいな漫画がもっとあるといいな

人間関係のバリエーションをもっともっと増やす実験というか、モデルケースになるような