「生物はなぜ死ぬのか」小林武彦さん著
元素のスープから、原核細胞を通って、多細胞生物までの歴史的な変遷(の科学的推測)をたどることで、「死」が生物的に何であるかを考える本
* * *
読んで、生き物は謎の中に置かれていると思った
人間は「死」をすごく大きなものとして捉えているけれど、「生き物の循環」という流れのなかでは、生き物が次に変化していくための「一つの要素」でしかないと
だからおそらく死は必須ではなくて、個人的には、進化の袋小路的な存在として「永遠の命」という可能性はあると思うけれど、生き物の流れからしたら、やはり筋の悪いものだろうなと思う
それに繋がることとして、筆者がいうように「AIという不死の存在と付き合うって人間に出来るのか?」という問題提起は面白いと思った
というか、これからずっと人間の根源的な問題になってくるんだろう
* * *
さらに個人的な感想をおし進めると、
「なぜ生き物がいるか?」とか
「生き物とはなんなのか?」とか
「なぜ生きる・死ぬを定義する存在(人間とか)が生まれてるのか?」
・・・という疑問が湧いてくる(この本では扱わないテーマ)
もうそれは科学の話ではなくて、哲学とか宗教の話ではあるけれど
それを少し斜めの視点から見ると例えば、生き物全体のあり方というのは、機械学習に「自分に似たコピーをより多く作ると高得点」という条件を与えたときの、要素の振る舞いの過程という見方もできる
* * *
この機械学習の視点から他の事象を見てみると、たとえば文化・文明のあり方も、「自分に似たコピーをより多く作る」という条件に一致した振る舞いの一つかもしれない
とりとめなくなってきたが、理由はわからないけど「この宇宙」は、要素をどんどん交換しつつ変化していく何からの循環の仕組み、という「パターン」が好きなことはわかる
いったいそれは何なんだろう?
生き物は謎の中に置かれている