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本と体とプログラミング

本 日本習合論

「日本習合論」内田樹さん著

内田さんがよく口にするのに、個人的に良くわかってないテーマが 「人は葛藤によって成長する」というもの

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日本はアジアの東の端という地理的条件から、歴史的にいろんな人を受け入れてきた

実際、DNAの種類の多い国でもあるそうな

つまり、文化や宗教が違う集団が、歴史の中で何段階かに分けて日本にやってきて、住み着いたと

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当然、古くからいる集団と新しい集団の間で摩擦が起こる

逃げ場のない場所で殺し合いをしないために、異なる価値観や異なる物差しのものごとを、「なんとかして折り合わせることで、事を収めるプロセス」をその地固有の方法論として練り上げてきた

それが習合であると・・・わかりやすい例でいえば、神仏習合がそれ

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改めて考えると習合って、すごいことだなと思う

今まで自分が常識としてたことを一旦手放して、新しい何かを受け入れて、それを込みで新しい価値体系を自分の中に作り上げるのだから

・・・そうか、そりゃ葛藤するよねその時に(簡単に納得してしまった)

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しかしというかそのお陰で、著者曰く、日本人は、古いものと新しいものを習合させるときに、一番力を発揮するようになったと

それはなんていうか、個人としての葛藤による成長だけじゃなくて、文化自身としても葛藤によって成長するんだろうか?

対立項をなくして飲み込んで成長する貪欲な文化

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そういう意味では、浮世絵や刀や和食が日本文化というよりは、

「異物を飲み込んで習合させて新しいものを生み出すプロセスそのものが日本文化」

と言っていいんじゃないかと思う

カオナシが一見、習合のお手本かと思ったけど、あとで吐き出すから違うのかな・・・

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日本習合論

日本習合論

 

個人の話に戻すと、一神教の国とかではおそらく、GODと信仰心との葛藤が人を成長させるのだとしたら、日本では習合のプロセスがその役割を果たすのかもしれない

新しいものごとを取り入れて価値観を更新できなくなったときに、成長は止まるんだろう