「ツバキ文具店」小川糸さん著
なにより空気感がいい
主人公のポッポちゃんは鎌倉で、先代から受け継いだ文具店と代筆屋を営んでいる
季節に合わせて、天気に合わせて、人の出会いに合わせて
人の生きるリズムで物語は進んでいく
* * *
しっかり掃除をしてから店を開けること、お客さんを旬のものでもてなすこと
代筆屋はさらに文面を考えるだけでなく、封筒、紙、書く道具まで依頼に合わせて選びぬき、さらに書をしたためる時機の頃合いまで考える
・・・こんなリズムと場所で生きていけたらなと思う
* * *
ドラマを見てから、小説を手にとる順番だった
多部未華子さんは、ポッポちゃんの宛て書きではないかと思うくらいはまり役
そして小説を読んでみて、お客さんにポッポちゃんが出すお茶やお菓子の選び方を知り、もう一度ドラマを見てみたくなった
続編が見たい・読みたい気もするけど、これはこれで終わりでいいのかもしれない
結末が描かれないままの代筆のエピソード、バーバラ婦人の若かりし頃、ポッポちゃんの恋などなど
みんな、そういう生活に憧れていることを教えてくれた本