「古の武術に学ぶ 無意識の力」甲野善紀さん、前野隆司さん対談
ロボット工学が専門の前野隆司さんは、人工知能を研究するなかで、「受動意識仮説」にたどり着く
簡単にいうと「自由意志というものはない」という話
その考え方と、甲野善紀さんの「運命は完璧に定まっており、かつ完璧に自由である」という命題が対談の軸になっている
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甲野さんの話はそのまま聞いてもレベルが高すぎて、スゴイ!しか言うことがない
しかし、その中でも2つ、何かに繋がりそうな話を覚書のために
「意識が多層構造になっている」という感覚
甲野さんが”影観法”と呼んでいる、”太刀を避ける技”では
「表の自分」は刀を”受け”
「そうではない自分」は”避け”
という、2種類の自分がいる感覚で捌くのだという
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前野さんも言ってるが、これはフローの感覚ではないかと
自分の少ない経験に照らし合わせると、たまさか、自分が目の前でやってる作業と、それを見ている意識が分かれた経験がある
それは時間が伸び縮みしたような感覚で、「自分ならざるもの」が、”実際の処理”を行っていて、意識として操れるほうの「自分」はそれを俯瞰している感じ
具体的にはプログラミングでノリに乗っていた時と、山道をバイクで運転している時に、2種類の自分がいる感覚を感じたり
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ちなみに、興味と緊張感の両方が高いレベルで維持されている時に起こりやすいらしい
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もう1つは
まるまる、”普段と違った意識状態”に、意識的になれること
甲野さんが”響きを通す”と呼ぶ、衝撃波を相手に通す技があり
それは見た目は普通のパンチで、実際普通のパンチなんだけど、甲野さんの意識が、”なにか違う世界”になると、相手が全然捌けないパンチになってしまうという
甲野さん自身も、意識することでパンチが変わることは分かるんだけど、なぜそれが起きるのか自分でも説明ができないと
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さらに、なにそれ?状態ですが、技そのものの説明としては
「津波(エネルギー)が海(身体)を伝わって、岸(相手)に当たるとそれがエネルギーとして放出される」
みたいな話だそうです
それが、なぜ意識状態を変えるだけで起こるのかは・・・???
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またしても個人的な経験に近づけて理解しようと思うのですが、私、座禅に通っておりまして
そこで教えてくださるご住職が言うには、
「座禅は技術を捨てたところにあります」
「座禅は身につきません」
「自然な形でも、がんばる形でも、その中間でもなく」
「ただ、歪まないで座るという意識だけで座り方が変わります」
などなど
・・・もちろん全然自分は出来ないのですが(当たり前)、座禅をする時のご住職の言われる”意識”というのは、普通のレベルでの意識ではないんじゃないかと
たとえば、意識:集中→リラックスというような同レベルの変化ではなく、甲野さんが言われるような、”何か違う世界に入った意識”なんじゃなかろうかと
座禅ができてない自分がいうのもなんですが、座禅ができている体は、甲野さんが”響きを通す”ところの身体と同じなんじゃないかと感じるから
・・・あくまで仮説ですが
ご住職にそのアイデアを話してみると、「座禅は技術ではない」と一刀両断に・・・
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ともあれ、意識に「多層構造がありうるのでは?」ということと、意識が「全く普段と違う状態の意識になれる」(薬物とかなしで)という話は、自分の心への今後のアプローチとして、知っておいてもいい話かと
(甲野善紀さんを信じるならば)
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この対談で、前野隆司さんにも興味が湧いたのがもう1つの収穫!