ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 自分を磨く働き方

「自分を磨く働き方」安田佳生さん著

表紙の軽い見た目と裏腹に、ポスト資本主義を見据えてどう働いていくか?という射程のなが〜い本

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著者は起業して儲けて、潰して、失意のどん底になって、働くことをの意味を考えた

すると、「人生を楽しむために仕事がある」という結論に至った

逆に、楽しんで仕事をするサイクルに自分を放り込まないと、今後辛くなるとも

本にはその理由が書いてあり、目指すべき働く形も提案している

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(ここからは自分の想像)今後の社会を想像してみる

技術の面から言うと、AIとロボットが発達することで、多くの仕事は、どんどん人間から機械に置き替えられる

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資本主義の面から言うと、働き方改革で多様な労働形態が進むことで、正社員と派遣、アルバイトがいれば、アルバイトの給料に全員が合わせられる

グローバル企業の社員で、日本と発展途上国での雇用があれば、発展途上国の給料に全員が合わせられていく

なぜならそこには「差異」があり、資本主義は「差異」を時間的に消費していくことで「利潤」を生み出すことを「原理」としているから

自分を磨く働き方

自分を磨く働き方

 

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理屈で考えていくなら、上の2つの理由から「普通の会社員」の仕事は減るか無くなるかしていき、給料は下がるしかない

人間にしかできない(のほうが好まれる)仕事は残るよ?とも言われるが、例えば、介護はすでに人手不足なのに給料は低いし、大量の失業者が出て人手が足りてきたら、もっと待遇は悪くなるのは目に見えている

さて、どうしたものか?と

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A1.人間にしかできないことをする(というか、それしか道はない)

(ここからは著者の言いたいこと)

A2.さらに必要なのは、”その人だから”という固有名詞だと

「●●が好きすぎて・得意過ぎて、ずっと突き詰めていったら、すごいレベルになっちゃって、一部のファンから常に需要がある状態になっちゃった」を目指すんだと

それが成り立つのは当然ネットのおかげで、自分の好きを突き詰めるのと同時に、少なくとも週一程度は、自分のやってることを発信することで、誰かが自分を見つけてくれて、社会に「好きなことで役立つ場」が見つかっていくと

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そうやって考えると、資本主義もまた、いつかその役割を終える定めなんだろう

そんな社会構造の変化までを(理論ではなくて)実感から考えた作者のこの本は、ちょっと他に類を見ない仕事指南書だと思う