ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 マインドフルネス最前線

 本「マインドフルネス最前線」香山リカさん対談集。

読んでみて、マインドフルネスを始めたい、そして出来るなら継続したいと思った。実利的かつ面白かったのは、マインドフルネスや瞑想、ヴィッパサナーを継続すると、遺伝子の発現率が変化することが研究でわかったこと。脳のネットワーク組成すら変化してしまうこと。さらにはテロメアの修復酵素が出てくるようになったりと。ウハウハ。

 マインドフルネス自体は僕の理解では、自分の感情をある程度コントロールできる対象だと認識して、具体的に取り扱う技術体系の一つだと。おおまかにはこの本を読めばわかるが、実際にやるには誰かの元に行ってやるしかない。

この本の別の面白さとしては、香山リカさんが科学者であることによる限界を、よくも悪くも見せてくれること。「誰でも・いつでも・どこでも」再現できないことは科学になれない。

でも人生のほとんどは一回限りのことだし、医療でいうなら「治療」という行為にはそれが外傷であれ心の傷であれ、人間が関わる以上、”相性”や”タイミング”や”運”が存在するのは誰でもわかる。そういった個別性を無視したり、「科学が存在できる範囲」だけで出来ることをしようとすると、科学自身が、治療の範囲を狭めてしまう。

個人的には現代の科学がその範囲に含むことのできない、一回限りのことをいかに毎回上手に扱うかを自分の技術として磨いていきたい。科学はその定義上、誰でもできることだから。マインドフルネスはその間にある。