「宇宙からみた生命史」小林憲正さん著。
この本を読んで生命史観が確かに変わった。生命そのものは分からないままだけど、それが全体として案外しぶとくて、けっこう宇宙にありそうで、でも一つの種を見るとたやすく滅んでしまう、そういう触感が伝わってきた。
宇宙にはアミノ酸前駆体とガラクタ生命(筆者命名)があって、それが色々な星に降り注いで生命のきっかけを与え得る話からすると、姿は違っても、ミクロ部分では似たエネルギー交換システムの生命体がありそうな気がしてきた。重力や大気構成割合が違うことで、生命の最適サイズは変わってきそう。
他にもメタン液体中の生命の可能性などを考えると、生命の起こりそうな可能性は従来より広まる。でも他の知的生命と交信できる可能性はやっぱり低いらしい。
そして人類という種なんだけど、自然現象によって千年単位で滅んでしまう可能性を知った。 太陽フレアの問題。
強い電磁波が地球にも届いて、今までにも町レベルで被害を受けている。自然現象なので、地震と同じくフレアの強度と起こる頻度が反比例する。今まではたまたま百年単位で起こりうるフレアしか起こってないけど、千年単位で起こるスーパーフレアが発生すると、電子機器が全てダメになる可能性がある。
なんだろう、いまの社会のシステムってここ100年起こってないことは想定しない前提で組まれてるんだな。なんだかとっても残念。
(自分の想像力の限界だけど)生命ってやっぱりどの星でもイマココ的な存在になっていくんだろうか。あまり先のことを考えられなくて、科学技術が発達してもそれが使えない状況(by自然現象)になって滅んだりしちゃってるんじゃないだろうか。