兵庫県立美術館で開催中の特別展 建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 にいく。
ガウディの設計した建築は、生きものみたいだった。壁面に使われている波打つタイルが2枚置いてあるだけで、いろいろなことが伝わってきた。
滑らかにでこぼこしていて、繋がっていて切れ目がなくて。「生きものって平面がないし、全体と部分って設計でもないよね」って思えば当然なのかもしれないけど、そういう建築って他で見たコトがない。なんでガウディだけなんだろ。
スペインという場の力があったり、映像による効果もあるんだろうけどガウディの建物はエネルギーをくれる。自分の家に帰って平面の無味乾燥な壁を見ると、今まで感じなかったけどエネルギーを削がれるような気がする。平面の壁ってほんとはキライかも。わざわざキライなモノに人間側が合わせて暮らしてるんだろうか??
井上さんの描くガウディの人生の場面は心に残った。マンガってすごいなと思った。年表とか書かれてても全然記憶に残らないのに、井上さんの絵によるガウディが自分の中で ” ガウディ ” になってしまった。幼少期に足が痛いことからの身体に骨があることへの気づき、オトナになってからの悩む幾種類もの顔。
井上さんはなぜガウディを選んだのだろう?生きている感じがする建築で、生きているのが楽しそうな建築だから?自分が観ることのできない後の人に完成を託せる心?井上さんのバガボンドを読んでると、意志で描いてるというより何かに描かされているような生き方が似ているんだろうか。
井上さんのファンだからという理由で行ったのだけど、井上さんの視点によるガウディを再発見させてもらえた。そしてバルセロナに行きたくなったのが一番の収穫。