ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 成功するシステム開発は裁判に学べ!

「成功するシステム開発は裁判に学べ!」細川義洋さん著

 

個人的にはとても面白かったが、業務システムを開発するベンダーの社員か、発注会社の担当者にならないと関係ない本なので、面白い部分を紹介

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プログラミングを含むシステムの納入は、普通の商品の納入と全く違うところが一つあって、それは「必ずミス(バグ)が含まれているものを完成品として納入する」ということ

これは裁判所も認めていて、判例でも「システムを作るというのはミスが必ず含まれるもの」と捉えて、それを認めた上で、「どの程度のミスを瑕疵とするか」というレベルで判断が下されるのだと

これは、違う業界の人からしたら「え!?ありえなくない!!」と思うに決まっているけれど、それが実態として世の中が回っている

それは別にベンダーがひどいとかいう話ではなくて、誰がやっても同じになるし、個人的には「システムというものが人間にそもそも合ってない」んだと思ってる

プログラマーと言われる人種が共通して、他の業種よりも人間の深みに触れている部分があるとしたら、それは「絶対自分はミスをする」ということを海より深く知っていること

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余談だけど最近法律が変わって、「ベンダーは納入したシステムのエラーに無期限に対応する義務を背負う」というルールができたので、日本では長期的に見て、ベンダー業界はなり手がなくなっていくと思う

ベンダーで働いてない立場なんだけど、この法律がOKなら「何かの法律を作ったことで社会にマイナスが起こったら、それに関わった政治家と官僚は一生無料で償う」という法律があってもいいと思う

本の内容はこれくらいにして、この本の存在が面白いなと思ったのが、

ある業界を理解するのに「その業界が裁判でどういう問題を争ってきたか?」の視点で見ると新しいところにたどり着くんじゃないかと

裁判になるというのはその仕事の弱い環の部分であり、割り切れない部分であり、理不尽さであり、人間的な部分なんじゃないかと

日常の仕事の視点で見るなら「その業界における仕事のしわ寄せ」がそれであり

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だから、「業界ごとに裁判をまとめた本シリーズ」があるといいんじゃないかと

就職先選びに「そのしわ寄せ部分が自分に回ってきてもOKと思える業界が、自分に向いた業界」である、という判断がくだせるとか

また仕事をしてる中で「何かこの仕事おかしくない?」と思ったときに、この「業界ごとの裁判をまとめた本シリーズ」を読めば、自分がどういう位置にいるのかすぐ分かる

自分の感覚が間違っているのか、業界がおかしいのか

判例を知って、裁判に巻き込まれる前に判断するのが一番楽だと思う

音声-乗り換え案内アプリ(関西)を作りました

関西の「音声乗り換え案内アプリ」ができました

ものはこちら 音声案内 KiNAi

(2週間で終わると思ってたのが、2ヶ月半かっかた見通しの甘さよ・・・)

 

「乗り換え駅」と「所要時間」を音声で教えてくれます

なんだったら、iPhoneだと入力も音声でできるし!

できないこと・・・「時刻表」や「運賃」は分かりません

(時刻表はライセンス料がかかるのよ)

 

こんな感じに動きます


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駅の範囲は「大阪、奈良、京都と兵庫の南方面と、和歌山と滋賀の一部」(畿内)です

字が見えにくい人小さいボタンの操作がしにくい人、のお役に立てるかもしれません

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時刻表がないということで、一つ注意点としては、同じ路線で行き先が変わるような電車に関しては、代表的な電車のみを案内しているので、乗り換えの車内アナウンスなども併用で!

もっかい案内しときます

こちら >> 音声案内 KiNAi

 

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余談ですが、この乗り換え案内は、ダイクストラ法(dijksttra)という

「無数にある点 ( 今回なら駅 ) を星座のようにつないで、最短距離を求める」

数学の手法を使っており、たまに「何これ?」的な乗り換え案内もでますがご容赦!

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間違いやエラーがあると思うので、これはさすがに!というのはご連絡いただけると幸いです

例えば、十三駅で強制的に乗り換えが発生する場合を確認しています

 

ではでは、良い電車ライフを

漫画 綿谷さんの友だち

「綿谷さんの友だち」大島千春さん著

主人公の綿谷さんは言葉の裏の意味や、空気を読ま(め)ない高校3年生

高2まではきっと無視やいじめを受けてきた彼女だが、山岸さんという同級生が隣の席になったことで世界が変わっていく

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山岸さんは、綿谷さんが自分と違う価値観なり感じ方をしていることを、(多くの同級生は綿谷さんを異物として扱うなか)当然のこととして受けとる

そして大事なのは、山岸さんが「綿谷さんにとって謎でしかない、周りの人と綿谷さんとの考え方や感じ方の違い」を説明してくれることで、綿谷さんが「周りの人と関わる術を少しずつ身につけていける」ようになったこと

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綿谷さんにとって山岸さんという、おそらく学校で初めての安全地帯ができ、そして綿谷さんが山岸さんと話すのを見ることで、クラスメイトも綿谷さんのことを理解するチャンスが生まれ、少しずつ綿谷さんと関わるクラスメイトができてくる

同時に、クラスメイトたちの世界も変化していく

綿谷さんより自由に振舞っているように見えたクラスメイトたちも、空気を読んだり、言葉の裏の意味を考えてばかりで動きが取れなくなり、別の生きにくさを抱えていた

綿谷さんはクラスメイトたちがそれぞれに持っている心の壁に、ストレートにぶつかっていく

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多くの場合その行為は、不躾だったりタイミングを得なかったりで、綿谷さんが嫌われるだけに終わることのほうが多いんだろうけど、そこは漫画で、クラスメイトたちは実直な綿谷さんに触れることで、自分の壁を意識させられて、その壁に囲まれた世界から出るほうを選ぶ

この漫画を俯瞰してみるなら逆説的だけども、周りと違うタイプの綿谷さんがいることで、クラスメイトひとりひとりが生きやすくなっていく

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最後に、綿谷さんのこの話は、日本ならではの話かもしれない

彼女は一般的に言うなら発達障害として呼ばれるかもしれないのだけど、この言葉は注意が必要で、その社会において生きていくのが難しければ、そう呼ばれるということ

だから個人の違いをもっと当然として生きる欧米社会では、綿谷さんのあり方は単なる個性として扱われるかだけもしれない

そして日本の綿谷さんに話に戻しても、山岸さんのような最初の一人がいて、クラスメイトと楽しくやっていけているようになったら、もう発達障害とは呼ばれなくなるということ

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大好きな漫画になった

 

VRでoculusを買う前に

友達に勧められて、oculus2をレンタルで使ってみた

一言でいうと、VRはとても面白かった

しかし、買う前にこれはレンタルなどで試したほうがいいと思ったのでお伝え

(2022/4/6までkikitoで990円でレンタルできる>>kikito)

自分の場合で言うなら、VRは今後も体験したいけど今のOculusは物理的に合わないことがわかった

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(もしかして自分が初めてこの機器をレンタルした人?ってぐらい綺麗だった)

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チェック事項

・メガネを使う人はコンタクトを使えるか

・両目の中心間の距離がOculusのレンズの調整範囲内にあるか

・英語がある程度聞き取れるか

WiFi環境が整っているか

・機器のペアリングとかを勘でなんとなく出来るか

アマゾンプライムNetflixなどの使い方に慣れているか

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メガネでも幅142mm以内、縦50mm以内なら使えるとなっているけれど、体験の質は下がる。コンタクトなら快適なんだけど、おでこの筋肉がゴムでピタッと抑えつけられるので、まばたきの回数が減ると思う

個人的に一番問題だったのは、両目の中心距離がOculusの設定より広かったので、微妙に片目で見るか寄り目で見ることになってしまった

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英語問題に関してはだんだん解決されていくと思うけど、現状はメニューなどは日本語でも、コンテンツの中身になると英語がほとんどになる

宇宙ステーションISSの中を遊泳したり、外に出て宇宙空間を漂うアプリがあって、たぶん全員が試すと思うけど、英語の指示が分からなくて宇宙空間に出られずにいる日本人は、けっこうな割合でいると思う


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WiFi環境はもうお金の問題でしかないけど、コンテンツひとつひとつが、数百メガから数ギガなので、通信環境がよくないと快適に使えない

ちなみにVRチャットというメインのアプリが、おそらく通信問題でうまく動かなかった

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使い始めるときのヘッドセットなどの機器のセッティングは、「スマホでOculusアプリをダウンロードしてペアリングとかを勘でだいたい出来る人」が想定ユーザーになっていると思う

付属のクイック説明書にはヘッドセットの電源ONの仕方しか書いてない!(笑)

基本的にその辺りのことは自分で調べてやってね、なスタンス

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機器のセッティングができると、やっとメインメニューみたいな画面が出てくる

映像系、アプリ系などの分類があって、アマゾンプライム・ビデオとかを使ってる人なら、なんとなく使える

ただ、まだ全体としてシステムが発展途上な感じがあって、アプリの削除どうするの?とか直感的には使えないなーというところ

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チェックの話は以上で、あと面白かったコンテンツと脳のバグの話を最後に


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このFiRST LiFEは360度映像で、地球誕生からの生き物の歴史を3D映像で辿るもので、ナレーションは英語だけれど、見てるだけでかなり楽しい

360度映像は、自分が振り向いた後ろ側にも風景が広がっているので、脳が錯覚を起こして、本当にその場にいる感じが強烈にしてくる

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脳が騙される話でいうと、ISSの宇宙ステーション・アプリの中では、縦横がデタラメになるので宇宙酔いもするし、映像としての壁が近づいてくると、顔のあたりにほんとうに壁があるような皮膚感が生まれる

視覚と聴覚と触覚を脳の中で統合してるであろう機能があまりに性能が良すぎて、視覚情報だけで、他の感覚をバグって生み出してる感じ

すごす環境を変えるだけで人間の心は変わるので、これは心の問題を抱えている人への治療とかにも使われそう

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以上、とても面白い体験だったし、今後VRは主流メディアになることがよくわかった

 

追伸

友達にこのVRの話をしたら、なんかヘッドセットをつけるのが怖いんだよね、と言われてその気持ちはとてもよくわかった・・・というか、別の理由によりPodcastの「サンドウィッチマンの東北魂」をずっと部屋の隅でかけながらVRの世界に浸っていた

本 その農地、私が買います

「その農地、私が買います」 高橋久美子さん著

「農業をやってみたい」という人は自分も含めて多いと思うのだけど、実際に土地を借りるor買おうと行動し始めると、どういう問題と直面するのか?ということを教えてくれる

農業をすることと例えば会社で働くことは、同じ「仕事」の意味合いでは語れないことがわかった

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著者の話を聞いていると、農地というのは法律で売買に制限がかけられ、その農地の周りの土地を持っている人たちの人間関係にしばられ、天候にしばられ、近くの山の動物の行動にしばられている

さらにもしその土地を自分が取得したとしても、嫌になったら簡単に手放すことができるわけでもなく、不要の土地でも草刈りは毎年(周りの農家のために)行わないと人間関係にヒビが入るという、資本主義のいわゆる「商品」とは全然呼べないもの、という所がスタート地点だった

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農家出身でない自分としては、どうして土地という「価格がついているもの」を、「コンビニで商品を買えるようにすぐ買えないのか・売れないのか?」というのが素直な疑問になるんだけど、実はこの疑問になっている自分が本当はおかしいのかもしれない

つまり、お金と商品が等価交換できる場面が日常生活の大半を占めているため、その交換には適用できる範囲があることを忘れているだけなのかもしれない

話を具体的なところにフォーカスすると、著者のおじいさんの話が面白い

山で枝打ちや倒木を運びだすことと農業は、ダイレクトにつながっているのだと

・(針葉樹を切って)広葉樹を茂らせる・・・動物が食べる実ができる

・動物の住処となる場所が山の中にできる(ここは関連性がよくわからない)

・人間の世界と動物の世界の境界となる里山(人の匂いが残る)が維持される

そうすれば動物は山の中で暮らしていく

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しかし、おじいさんがなくなり、山に入る人がいなくなると・・・

閑話休題

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いわゆる畑仕事だけでも大変なのに、動物、天候、人間関係と、畑の外の多様な課題と付き合っていかなければいけない、というので農業って大変すぎない?と思えてくる

しかしこの自分の感覚も、農地が単純な「商品」でないのと同じく、農業が(会社での仕事とは)違う種類の「仕事」だと捉えないといけないのだろう

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ただ、そんなに辛いことばっかりだったら誰も農業を続けないはずで、何かこの大変さに見合うだけの、もしくはそれを上回る喜びがあってしかるべきじゃないの?と当然思う

あ、でも農業をする人が(機械による省力化以上に)減っているなら、農業の大変さと喜びや楽しみがつり合ってないんだろうな

今後自分が農業に関わるかは分からなけど、「農地」「農業」を、資本主義のいわゆる「商品」や「仕事のひとつ」としてしか考えれなかった自分の感覚が、おそらく多くの人の感覚でもあって、ここのアップデートが農業を変えていく最初の一歩なんだろうと思った

DIY 汚れたダウンベストに汚し塗装をする

ブログに書こうと思ってなかったんだけど、意外にも周りの評判が良かったので、

汚れたダウンベストに汚し塗装をして、問題をすり替えるやり方を伝授したい(笑)

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まず見たほうが早いと思うのでこれを

グレーのダウンなんけども、油染みがついてみすぼらしくなったもの(に塗装した)

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つまり、汚れを目立たなくするために、もっと違う汚れをつければいいんじゃない?という逆転の発想で、ガテン系の白ペンキ塗ってます&撥ねてます!をテーマに汚してみたと

こうすれば、油汚れのダウンベストを着る人じゃなくて、ガテン系か、画家的な(勘違いかもしれない)人という分類になれる!

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これは途中経過の写真

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・・・というか最初はこれで完成のつもりだったが、あまりに物足りなさ過ぎて、もうどうとでもなれや!とばかりに、あるだけの白インクを使ったら上のようになったと

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やり方は簡単で、

アクリル系絵の具を筆ににじませて、居合い斬り」を何度もダウンの上でやる

アクリル系絵の具というのは、乾燥後は耐水性を持つ素晴らしいペイントなのである

個人的には●十年前の高校時代の美術で使ったリキテックスの絵の具を使ったのだが、よく乾燥せずに使えたものだ・・・

ちなみに、濃度をいろいろ変えてやると、乾燥していくなかで濃さの違う白色迷彩みたいになってよかった

さらに、そのままだと単なる汚れに見えるので、ちょっとだけ右下に雪だるまのアクセントをつけてみた

この赤色が意外に目立って、会話が生まれること間違いなし

この写真だとあまり良さげに見えてないと思うんだけど、会った人のほとんどはそのデザインいいね?どこで買ったの?と聞いてきた!

(まぁそんな塗装を自分するやつがいる、という発想がないからというのもある)

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で、当たり前だけどこのダウンは、さらなる汚れがついても全然目立たない!

SDGsとは汚し塗装にみつけたり

DIY 地下足袋シューズにプルストラップをつける

地下足袋シューズを買っていろいろ思ったことと、 DIYがよかったのでお伝え

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この写真にある、地下足袋シューズはかなりいいです

いいのですが、普段履いてた靴に我慢してたことにも同時に気づいてしまう・・・

禁断の靴かも

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気を取り直して、

とくに足型が、「人差し指が一番長いギリシャ型」の人にはたぶん最高

自分は「親指が一番長いエジプト型」なので、残念ながら最高のフィット感は得られず

なぜ分かるかというと、0.5cm刻みで二足買ったから!(無駄)

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小さいほうは、人差し指から小指まではベストフィット!なんだけど、親指が詰まって使えず

大きいほうが、親指は最高のフィットなんだけど、人差し指以下は空間の余りが多すぎ

・・・それでも、裸足で歩いているような自由さ(心許なさ)がお気に入り!

ちなみに普段履いてる靴のサイズと一緒です

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靴裏は、波波のゴム底なんだけど、雨の日の溝の鉄柵?の上は普通に滑ります

そしてここが実はこの靴を買うべきかの一番の境目で、靴底が柔軟性があって道路や地面の形が分かるくらい薄いので、普通に道路を歩いているとかかとに衝撃が溜まります

地面の上を歩くなら衝撃はきません

土の上はどれだけ衝撃を地面側が吸収してくれたのかがよく分かる

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でもたぶん多くの人は道路の上を歩くことがほとんどだと思うので、膝や腰のバネがいい人か、つま先歩きを混ぜてもいいよ!って人じゃないと辛いかも

昔は足半(あしなか)と言われる前半分しかない草履を履いてたくらいだから、体の構造的にはつま先歩きって問題ないはずなんですけどね

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さて、ここからはDIY

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この靴を買ったひと、もしくは買う人は、1時間ほど皮と格闘してもらって、プルストラップをつけると、めちゃくちゃ履きやすくなります

プルストラップは、スニーカーのかかとについてるやつです

1時間と革加工セットを買う価値はあります

一度プルストラップをつけたら、二度とそれがない状態には耐えられません(禁断2)

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輪っかにして、手の指を通せるようにして、かかとに外側から縫い付けるのがオススメ

柔らかい皮のハギレでいいので、皮用の針と糸で直接縫えます(穴あけ不要)

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ABCクラフトみたいなところで、皮とレザークラフトセットみたいなのを買うか、Amazonでももちろん売ってます

今回の作業には「革用の針、指ぬき、革用の糸」だけでいいと思う

最後になったけど、これがその地下足袋シューズです

メッシュ生地なので雨の日は向かないかと

夏に涼しいといいなぁ

よき地下足袋ライフを