「日本辺境論」内田樹さん著
旅行にでるたびに読む本(旅行カバンにいれっぱ)
あまりにテーマが大きいので、その時の自分に合ったところだけが響く
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この本の大きな仮説は、「日本が地理的な辺境にあり、中国という大きくて発達した国が2千年以上そばにあったことで、ある種の民族的パターンが生まれた」です
そのパターンとは、
「佳きものの源泉はどこか遠くの場所にあり、我々はそれを必死で取り入れる」
という民族的レベルでのマインドセット
言い換えると「自らの評価軸で良きものを作り出す側にはいない」と思ってること
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そのなかで今回は「時間意識の変容」という話
日本人のつねに後手に回るという思考パターンは、日本人の根幹ではあるけれど、内田さんの本業である武道の話として考えると、あまりよくない
では、どうするか?
・・・「先手・後手という捉え方をなくす」のだと
伝わるか分からないけど引用してみる
「自分には無限の選択肢があったのだが、攻撃の入力があったせいで、選択肢が限定された」というふうに考えるのが「敵を作る」ことです
それに対して、「無限の選択肢」などというものは仮想的なものにすぎず、とりあえず目の前にある限定された選択肢、制約された可動域こそが現実のすべてであり、それと折り合ってゆく以外に生きる道はないと考えるのが「敵を作らない」ことです
そう思うことで、時間意識が変容する
(なんとなくアキレスと亀の寓話的な気もするのはおいといて)
・・・響いたのは、自分にとって現状が満足できる状態じゃなく、もっと何かできるはずなのに!と常に思ってしまっているから
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それって、勝手に周りに敵を作って、自分を動きづらくしているんだなと
その敵とは、おそらくは「自分」であり
困った
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よく分からないけど、これは村上春樹のダンス・ダンス・ダンスとも繋がっている気がする
そうか、これはいま考えても分かるわけないんだ
時間意識の変容があった後じゃなければ
村上春樹さんは、きっと地下二階から闇に潜っている間だけ、それと出会えたのだろう