ココロミにきみ

本と体とプログラミング

googleカレンダーに復習予定を自動でいれるやつ

継続的に何かを学んでいる際に、その復習日程を自動でgoogleカレンダーでにいれるプログラムを作りました

例えば 今日、「単元1」を学んだとすると、次の日、1週間後、3週間後、7週間後にも「単元1」の復習予定が書き込まれます

脳科学の本で読んだ忘却曲線に効果的に抗うパターン)

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ほんとにちょっとした手間を省くだけなんですが、本気で何かを学ぼうとした時にそれなりに役に立つかも?ぐらいのものです

って言っても、googleスプレッドシートスクリプトを使える人限定という狭き門で、エクセルでVBA使える人なら使えます

ちなみにパソコンで操作します(スマホのアプリではプログラムが動かない)

こんな感じにカレンダーに表示(lesson 5とGAS 3 を本日学んだという設定)

f:id:molingit:20210629215057p:plain

使用するファイルはGitHubという(プログラマー御用達しの)所に置いています

・Review Schedule Maker.xlsx

・paste_to_the_spredsheet_scirpt.txt

が必要な2つのファイルで、下のリンク先の画面で、緑色の「Code」というボタンを押すとダウンロードできます(登録不要)

github.com

 

◆ダウンロード後の設定のし方

①エクセルファイルを、googleスプレッドシートにアップロード

スプレッドシートを開いて、ツール>スクリプト・エディタを開く

③テキストファイルの中身にあるプログラムコードを、そこに貼り付ける(下画像参照)

④ボタンにfunction名を割り当てる

+⑤データを削除するボタンは、コード見てやばさが理解できる人はのみ使ってください

(ご自身のgmailアドレスをコード内に書き込みます)

 

◆実行

①today's your taskに「課題の名前」を書いて、「水色のボタン」を押す!

(*)初回のみgoogleからセキュリティ・チェックが入るので、がんばって通過する

Googleカレンダーに予定が入ってる!

 

 

スプレッドシート画面

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スクリプト画面

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・・・こんなに手間で果たして使う人がいるのかしらん

もう、アプリを作れよ!って話だと思うんですよね、ほんとは

まぁいいや自分用のをお裾分けするだけだから

 

have a nice day!!

本 習得への情熱

 「習得への情熱」Josh Waitzkinさん著

チェスの世界トップになったあと、数年で太極拳の推手の部門でも世界一になった著者

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チェスの場合、一つ一つの駒の動きや特性を徹底的に学んだあと、駒同士の組み合わせや、序盤、中盤、終盤での戦略、心理戦など、どんどん学びのレイヤーが上がっていく

すると、初心者の頃に学んだことと全く逆の価値観に遭遇することもあるという

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例えばチェスで、ポーンの相対価値を最初に10ポイントと習ったとする

それは駒同士の組み合わせを学ぶと、12にも7にも変化することを次の段階で学ぶ

最終的には、駒の価値は不定形となり、形勢や心理戦の中でいかようにも変化するものとなる

* * *

つまり上の段階にいくためにいは、一度身につけたものを手放す、一定期間パフォーマンスが下がる「負の投資」をしなければいけないと著者言う

太極拳では、本能的に身につけた防御反応を体から取り去るために、相手から投げ続けられるという練習をしたという(やりたい人は)

そうやって、相手から攻撃を受けること自体に慣れて、恐怖心が取れると初めて相手の動きが見えるようになってくると

逆に最初から身体性能がいい選手は、負の投資を行わないでもそこそこ成績が良いために、あるレベルで止まり続けているような描写があり、示唆的な話だと思った

 

また、チェスでも太極拳でも、「心を今におく」のが、一番大事なことだと

対象にひたすら深く没頭していながら、同時に自分を含めた周りへの意識もある

時間の流れが変わり、長いんだが短いんだか分からない、まっすぐじゃない時間が流れている

無意識のインスピレーションが湧いて、自分の知らなかった自分に出会えるという

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その「心を今におく」ために、技術を技術として意識しなくなるまで高め、自分の中の恐怖心や怒りへの対処の仕方を生み出し、リラックスする方法や、その他この本に書いてある全ての話があるんだろうと思った

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余談ながら、原題「The Art of Learning」が、日本語版「習得への情熱」と、気持ちの問題にすり変わっているのは知っておいた方がいいかもしれない

徹底的に「学び方の技術」の本

本 養老先生、病院へ行く

「養老先生、病院へ行く」養老孟司さん、中川恵一さん著

ファンとしては、ついにあの養老先生が病院にいく???そしてどうなった???

・・・という気持ちをまんまと出版社か編集者に絡め取られた気がするがまぁいい(笑)

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結果からいうとやはり養老さんは養老さんだと

そして養老さんの教え子であり、その主治医?となった中川さんは、養老先生を尊敬しつつも、その医療への態度をなんとか変えて欲しいというのがこの本で何回も語られていた

中川医師はすごく理解のあるお医者さんだが、それでもお二人の立場の違いから、医療に対して新たな疑問が浮かぶ

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それは、日本の医療では患者は0か100かの関わり方しか認めて貰えないということ

一旦患者になるとなったら全てを任せなきゃだめ、それ以外の選択肢は医療に一切関わらないという道しかない

患者が中途半端な知識で、あれこれ取捨選択することで最善の医療にならないことがあるのは当然だと思うけど、なんでそれが許されないのかが分からない

そりゃ実際問題として患者は途中で医療を受けるのを中止とかできるけど、そのことが医療の発想に組み込まれていないから、もうウチの病院は出入り禁止ですとか、医療者が反感を持つとか、他のサービスと比較して不可解な”業界常識”がある

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例えば、裁判だとか学校とかで、容疑者や被害者、生徒は自分に不利となることでもする自由がある

周りのプロフェッショナルたちは、クライアントが失敗するかもしれないことを込みで、できることだけをする(・・・そうでもないな)

それがどうして医療となると、クライアントの失敗権が剥奪されて、プロフェッショナルに全てを任せるか、医療から撤退するかの二択しかないんだろう

たぶん、クライアントが失敗や選択する自由を認めないサービスは、衰退し始めているのだろう

ある仕組みやサービスが始まって、高度化して、クライアントの理解や知識の及ばない膨大な体系が出来上がると、その集団の維持が一番の重要事項となって、硬直化していくのだろう

それが養老さんが一番嫌っていることでもある

だからこの本の題名は「養老先生、医療を受ける」ではなく、養老さんが「自分で必要な時・ところだけ病院に行くよ」という意味で「養老先生、病院へいく」という形になったんだろうと

* * *

この人間が生きるのを手助けする根源的なサービスが硬直化していくのは、市場に任せれば解決するという考え方もあるし実際行われているが、それは行動原理が「組織」から「資本」に移っただけで、「人間」じゃない以上、結局、別の形での「失敗や選択を認めないサービス」になっていくだろう

おそらくこの話の一つの解決策は、人間が生きる集団の人口サイズを小さくすることだと思う

AIや技術が発達して、人間がもっと小集団ごとの集まり(数百人とか?)として生きられるようになったら、ルールを減らすことができて、養老先生は快適に医療を利用できるようになって、「養老先生、医療を受ける」という本になるんだろうなぁ

 

 

 

本 アロハで猟師、はじめました

「アロハで猟師、はじめました」近藤康太郎さん著

 猟師をやってみたい、という人には参考になる(生き方はそんなに参考にならない)

* * *

猟をするために筆記試験を受けて、精神鑑定を受けて、銃の所持免許をとって、狩猟免許をとって、やっと猟師のスタート地点に立ったと思ったら、そこからが一番辛いらしい

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鴨を散弾銃で撃つぞ!と思っても、新人猟師は一人ではまず鴨がいるところにたどり着けない

何回か何十回か寒いなか出かけていって、やっと群れを見つけても、人間が気づく前に鴨の方が先に気づいて逃げられる

その繰り返しの中で、心折れて猟師になれずに辞めていく人が多いらしい

* * *

そんな中、どうして著者が猟師になれたかと言ったら、良い師匠を見つけ出せたから

前作の「おいしい資本主義」で、稲作を始めたときも、著者はちゃんと師匠や協力してくれる人たちを見つけたことで、物事が回っていっている

今回の猟師になるにも、心の広い師匠に出会えてその指導のもと、鴨猟で毎回上限の5羽まで獲ることができて、鴨肉を周りの人に配ることで新たな繋がりになったり

* * *

アロハで猟師、はじめました

アロハで猟師、はじめました

 

 もうなんていうか、稲作も猟師も、技術よりも何よりも、知らない他人の懐に入っていって、信頼関係を作るってことが出来ないと何も始まらないことを学べるのが、この本の一番のいいところの気がする

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猟師自体の話としては、やはり生き物を殺す場面というのは、文字で読んでるだけでもなにか厳粛な気持ちにさせられる

著者も書いているが、その現場で可哀想だとか感情が揺れている間は、命に対してちゃんと向き合ってないんだと

まさに自分がそれで、スーパーで買った肉を食べているのに、動物がどこかで殺されていることを想像したことがないのは、何かを避けていると言われてもしょうがない

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希望したってみんなが成れるわけじゃないけれど、猟師になるというのは現代社会で数少ない大人になるためのイニシエーションじゃないかと個人的に思った

猟師になろう

 

本 想像ラジオ

「想像ラジオ」いとうせいこうさん著

想像ラジオは、それを放送する人もリスナーも、それぞれの想像が電波となることで成立する

今日はどんな話が出て、どんな音楽がかかったのか

それぞれが、それぞれに想像する

そんなラジオは成立するのだろうか?

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 (ここからは、本の内容から考えたことを書いてます)

思えば太古の昔から、人はもう会えなくなった人とずっと話をしてきた

ある人にとっては生きている側の勝手な会話かもしれないけれど、ある人にとっては、自分の想像を超えた会話がそこに展開してびっくりしているかもしれない

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小説家や漫画家は「キャラクターたちは途中から勝手に動き出すんですよ」という

「作者にできるのはキャラクターたちに環境を与えて、自由にさせることだけなんですよ」みたいな

これも、昔ならシャーマンと呼ばれていただろう人たちが、現代の仕事の中に応用しているだけかもしれない

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そこに、いとうせいこうさんはもう一つ、想像を重ねた

個人的には「想像の想像ラジオ」と言っていいけど、本を読む人のために内緒にしておく

 

きっと、著者はこの本を出すのを迷っただろうと思う

でも最後には、この本があることで、この「想像の想像ラジオ」というアイデアがあることで、少しばかり自由を増やすほうが大事だと思ったんじゃないか

そしてそれは、太古の昔から連綿と続く人間の営みを、新たな形で作り出したんだろうと思う

・・・そうか、昔からある宗教的な儀式などは、人間のが自由を増やすためにあったんだ!

ということは、逆に想像を自らに禁止することで、人間は自由を失っていくのだろう

 

本 福島モノローグ

「福島モノローグ」いとうせいこうさん聞き手

東日本大地震の後の、福島に住む人の声を初めて聞いた

人間が避難した後、繋がれていた牛たちは鼻輪が柱に短い綱で留められているため、逃げることも、餌を食べることも、水を飲むことも、疲れても横になることも出来ずに、ありえないくらい鼻が伸びてガリガリに痩せて死んでいたそうだ

そういう動物たちの存在に気づいたひとりの女性は、福島になんども通って、まだ生きている家畜たちの世話をし始めた

もっと世話をするために、福島のコンビニで働くことにして、荒れた農地と餌のない家畜を結びつけて、動物たちを世話していった

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牛がいるだけで畑の雑草をどんどん食べてくれて、糞で耕してくれる

いつか使える知識かもしれない

 

今は、もーもーガーデンとなっているそうです

moomowgarden.or.jp

また別の話で、県内に残った人たちの家には冷蔵庫が2つあることも多いと

娘や息子の家族が遊びにきたときに、こどもには県外の食べ物を食べさせて、自分たちは県内産のものを食べるから

また、以前は野菜を育てていた人たちが、孫に食べさせられないという理由で畑を続ける気力がなくなり辞めてしまったことも

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福島モノローグ

福島モノローグ

 

 

ひとりひとりの言葉の真剣さが響いてくる

いつか行こう、いつかいこうと思いつつ10年が経って、この本を読んでやっと自分の中の旅がスタートした気がする

 

本 この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

「この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた」ルイス・ダートネルさん著

 

世界がなんらかの壊滅的ダメージを受けて、わずかな人類が生き残ったと仮定する
科学技術文明を保つ人的余力がないなかで、どうやって文明を再興していくかを考える
農業から始めて現代社会の基礎となる技術がどう出来ていて、あなたがそれにどう関われるかを解説していく

* * *

この本を、以前紹介した斉藤幸平さんの「人新世の『資本論』」につなげるといいと思った
斎藤幸平さんの本の前提は、
https://www.fepc.or.jp/smp/enterprise/jigyou/world/index.html
にあるように、今までどんだけ科学技術が発展しても世界のエネルギー使用量は常に右肩上がりであり、環境負荷が減ることはない
つまりは「既に現在の資本主義の形ではやっていけないが、どうする?」からスタートしている

* * *

となると、エネルギー使用量を過去のいつかの時代レベルに抑えないといけない
今までエネルギーが人間の労働を代替していたところを、本来のマンパワーや家畜パワーでやっていくことになる
おそらく地産地消型の社会になり、アメリカのアーミッシュの人たちを一つのモデルの極とするような、労働集約型の生産方式がメインになるんじゃないかと
今ある科学知識とエネルギーの消費が少ない技術は使うんだろうけどさ

 ・・・というわけで、この本が役に立つようになる
例えば農業は今は肥料を科学で作っている
全世界のエネルギーの1〜2%がハーバーボッシュ法でアンモニアを作るために使われていて、それが窒素になり農作物に欠かせない栄養として使われている

全世界のエネルギー使用レベルをどこまで落として、さらにどの分野にどれだけ使うか?というのにもよるけれど、例えば、窒素を得る方法として「肥溜め」を復活させることになるかもしれない

そういう全てを0から始める話が、人類が生きていくのに必要な分野を網羅している
住居、衣服、工業、医・薬、化学、通信、水力風力エネルギー、移動、アート、教育などなど

* * *

個人的には、この本にあるように各分野の0からの技術を実際に使ってみる、というのをやっていきたい