ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと

 「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」ちきりん著

ーー 自分の我慢が分かってしまう本

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親が実家をリノベしたいと言っていたので、事前調査にと読み始める

図らずしも、自分が衣食住の「住」に関しては、住宅供給側の「都合」に当然合わせるものだと思って生きてきたことを知る

たとえば、リフォーム後のちきりんさんの間取りは、

「洗濯機&乾燥機と、クローゼットと、洗面所が一つ部屋にある」

・・・そんな間取りみたことない!

家族で暮らすときには合わない間取りだけど、一人暮らしで、一人分の衣服量であればものすごく使いやすい

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逆に自分を含めて、なぜ「住」だけみんな我慢しているんだろう?

衣・食は自分の好みに合わせるのが普通なのに!

って考えると、この本が今までになかった理由に結びつく

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つまり、家を買うとかリフォームするという人生の大仕事は、経験があっても「一度くらい」で、それを一般化できる人がいなかったんだろうと

そこに、「ちきりんさん」という「根本から考えることのプロフェッショナル」が組み合わさって、初めて言語化されたんだなと(単なる体験談なら既にあった)

徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと

徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと

 

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もう一つ本のなかで面白かったのは、(リフォームの話から飛ぶけど)全ての仕事を

・等価交換型取引

・共同プロジェクト型取引

という視点で分けて考えること

 ーー 前者はたとえばスーパーで商品を売るような取引

 ーー 後者は、医者や教師、コンサルなどの顧客側の協力が必要な取引

後者の具体例でいうなら、たとえば「患者は医師に対して、どこが悪いのか、いつから悪いのか、どういう生活を送っているのか、どういう疾病の経歴があるのか、など情報をきちんと提供すればするほど、医師の判断基準が正確になり、結果、治療を受ける患者の利益が最高になる」というタイプのもの

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リフォームというのは当然この後者に属する取引で、リフォームをしたいのなら、

「いくら予算をかけるつもりで、何を目指したリフォームで、何は譲れなくて、何は譲れるか」

を正確に言語化して、相手に伝えられるほど上手くいくと

逆にいうと「単に値切ろう」とか「お金出すんだからお前だけで考えろ」ってすると、全然満足が得られない結果になると

だからこの本みたいなので顧客側が学んでおくほど、自分の利益が増えるタイプの取引なんだなと

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余談だけど、この後者の「共同プロジェクト型」取引のマインドを持っている人は、リフォームに限らずいろんな場面において、「ちょっとだけ余分に幸せ」になりやすいだろうことも想像がつく