「吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる」吉本ばななさん著
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「断り方」がとても参考になる。
たとえば「お金もないし、今日泊めてくれ。泊めてくれないと自殺する」と言ってくる友だちや知人が現れた時。断ったらその人は本当に自殺するかもしれない。ばななさんは実際に断って、のちに自殺してしまった知り合いもいるという。
それでも、断るときは誠意をもって断ればいいと。
その人と自分の関係性に従って判断し、「違うな」と感じたら「私には私の時間があり生活がありリズムがある。あなたには生きて欲しいと願うけど、ここで私が泊まらせるのは違う」ということをきちんと伝えると。
もちろんその人がその時の自分にとって大事な人だと思えるなら、そのまま泊めればいい。自殺をほのめかす人が本当の意味で、大事な人である可能性は低いと思うけど。
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ばななさんのこの本を読んで腑に落ちたのは、ちゃんと自分の限界を知っておくこと、まず自分と周りの人をきちんと大切にすることだった。
有限な力しかない自分が果たすべき役割はちゃんとあり、自分の力はまず第一に自分と周りの親しい人に使っていい。キャパシティ・オーバーのお願いは断っていい。
この「断っていい」という感覚を知ることが大切なんだと思う。そして自分を害することに対して「誠実に自分の思いをその場で伝える」ことが必要なんだと。
悩みの半分くらいはこのちゃんと「断ること」で解決するんじゃないだろうか?