ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 会社をつくれば自由になれる

 「会社をつくれば自由になれる」竹田茂さん著

この本は日本で働く人の1%ぐらいしかターゲットにしていない。僕自身も本のチェック・リストによるとあきらか対象外。でも視点が面白いので読む。

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そもそも人間は自給自足を基本とするものであり、「雇用」という制度はなんらかの理由で自給自足ができない人のための「特殊な制度」だと著者はいう。そして、

「会社というのは自給自足的仕事生活をなんとか支援しようという制度」になっている(本文より)

この発想はなかった。

ヒト・モノ・カネの原理が大きかった昭和時代は、大きな組織=大企業の論理が強かったから「雇用という生き方」がうまくいった。

でも平成も終わる今日は、生産も消費も細分化されたことにより、サイズ=パワーの論理が引っ込み、一周回って「小さい会社を作っての自給自足的な生き方」がうまく機能するのかもしれない。

会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案 (しごとのわ)

会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案 (しごとのわ)

 

著者はイノベーションを起こして儲けようぜ!ではなくて、既存の仕組みや人脈や周りにあるものを再利用して、「なんとか人生最後まで働きつつ、居場所を確保しつつ、健康を保ちつつ生きようぜ!」というのを、会社を作って(制度を利用して)実現しようと謳っている。 

会社に理念なんて要らない、「自分の興味・やりたい」を最大にして最後の理由として、実働の半分は外部に発注して、経営者として好きなことをして過ごしていこうと。

最初から読者ターゲットを明確に絞って話しているので、経営者として人を使う部分でひどいなーと思う部分もあるが、「理念で経営するな」という所で同情に釘を刺している。

・・・というか、雇われ身分の自分はまさにこの「ひどい扱いを受けている」というのを今思い知った。この本が提唱する「(起業向き)チェックリスト」と違う条件で会社を作って、新しいチェックリストの本を書くのが目標。