「退歩のススメ」藤田一照さん、光岡英稔さん対談
★身体観に多様性がある!
このことだけでも学びだった。たとえば、一般的に黒人はダンスが上手だと言われている。もしそれが本当だとしたら、その一番の理由は(筋肉の違いとかよりも)、
「彼らの身体観」が(その他の人種より)実際の身体に近いからかもしれない。
他には例えば、西洋人が肉体改造やピアス、タトゥーに抵抗がないのは
「体は ” 自分 ” ではない」からかもしれない。
つまりキリスト教の教えでは、肉体はもともと泥を捏ねて神が作ったものであり、そこに崇高な精神が宿って初めて、人間というものができたという感覚がベースの身体観であるから、その改造に躊躇がないのだろう。
個人的な話だけれど、座禅を初めて半年になる。座禅では意識を手放して座ることを目指す。あーかな?こーかな?と考えて座ろうとしても ” 座れない ”。本によると、座禅は現代人がそのままやっても難しいだろうと。その理由は、
「座禅ができた頃の身体観」と「現代人の身体観」が違うから。
それがよく分かるのは例えば、座禅や正座で足が痺れるのは関節が硬いからというよりも、「(この動作を行う時は)その身体観のあり方ではありませんよ!」という体からのメッセージなんだと。ちなみに体が硬いというのは、その人が持っている身体観の硬さで、実際の身体の問題ではないんだと(物理的な限界はある)。おそらく座禅ができた頃は、
「身体をコントロールするという身体観がなかった」んだろう。
すごい本です。