ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 毎日っていいな

「毎日っていいな」吉本ばななさん著。

ばななさんだけ別なシアワセな世界に生きているんじゃないの?と思うくらい、生きてゆくことを喜んで、楽しそうで、それをちょうどいいサイズで伝えてくる。毎回大事なことだけ伝えて、色気を出したりして余計なことを言わない。だから気持ちいい。

そしてなんだろう、自分の周りに起こるモノゴトの関係性の見出し方が全然ちがう。基本的にはすべては繋がっているという発想だけど、それがこじつけじゃなくて、自然にそう伝わってくる。身に起こったことを言葉にする過程で、世の理(ことわり)をひとつずつ発見している感じ。

話の生感の強さと、話の緩急の気持ちよさから、ばななさんの視点で同じ人生を追体験している気分になってくる。下町の夕焼けだったり、旅行先の渇いた空気だったり。

毎日っていいな

毎日っていいな

 

そして数ページおきにある挿絵が目を惹いた。見たことありそうで、実は見たことない。切り絵のような雰囲気だけど、物悲しさがなく、明るい物語の一部になっていて、この本のテイストにものすごく合ってる。本自体が大切なものになる感じ。

ばななさんにとってはもちろん仕事としてのエッセイ集だけど、生き方としてこーゆーのありだよ、と本気で伝えようとしている本だと思う。