ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本「AIが同僚」 あなたはたのしく一緒に働けるか

本「AIが同僚」日経ビッグデータ記事の再編。

「(AIが同僚になって)あなたはたのしく一緒に働けるか」という副題は本当の問題ではないと思う。だってAIは人間が苦手とすることをやってくれるんだから、AIを使い始めたら楽だし、ない時代に戻れるわけがない。

じゃあ一番の問題は何かと言ったら、既にAIを同僚として圧倒的な生産性の向上を上げている組織と、そうでない組織の生産性の違いがもたらす過渡的な不均衡が問題だと思う。

AIが同僚

AIが同僚

 

 例えば産業革命の時代に、手で糸を撚っている組織と、蒸気機械で糸を撚り始めた組織では生産性が何百倍も違うことを考えれば理解しやすい。その二つの組織が対等に勝負できるはずがない。

つまりは、同じ業種の中でのAIを使い始めた組織とそうでない組織の生産性の不均衡が問題になってくると思う。さらにAIが導入しやすい業界とそうでない業界の生産性の向上の不均衡も考えられる。

 

 そして誰もが気になる「職がなくなるか?」という話は、AIで生産性が高まるということはその定義からして、「人がより要らなくなること」=「生産性の向上」なわけで、今ある仕事のいくつかは無くなるに決まってる。

逆に「無くならない変わらない仕事」があるとすれば、それは生産性が他業種に比べて相対的に低いままだから、今よりなんらかの不便を強いられるじゃないか?

 

最後に、人間は現在のAIにできない「価値や文脈の新たな定義を生み出す仕事」をすることになる、という理路は楽しいし実際そうなんだけど、皆がそれを「仕事」にできる世界はまだ想像できない。だから個人的にでもチャンスのある人はどんどんAIに触れていくのが最善策だろうと思う。この本の後半のビジネスで実際に使われているAIの例は刺激になる。

生産性の概念からしたら個人でAIを組むようなレベルに意味はないと思いつつも、いてもたっても居られなくなり、AIをUMEDYで勉強を始めた。