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本の感想と体の感覚

本 動物翻訳家

本「動物翻訳家」片野ゆかさん著。

半ページでその世界に没頭させる。新たな環境に連れてこられたペンギンの幸せと不安、環境の変化は全然平気だけど群れ内の関係性には悩むチンパンジー。

ペンギンは不安なときは水中に逃げるらしい。群れの一頭が新たなことに挑戦して、それが安全だとわかると他のペンギンたちも同じことをするようになる。保育器のなかで育てられた仔ペンギンの「ペンペン」は、飼育員さんを親と思ったのか、そのあとをついて回るようになり、それをみた群れのメンバーがペンペンの行った場所は行動範囲にしていく、という好循環がおきたり。

チンパンジーは能力が高いぶん個性も強く、飼育員さんはそれぞれの ” 人格 ” に合わせて対応するのが仕事のまず最低ラインだったり。子育てを知らないチンパンジーに、人形を使って抱っこを教えてみる飼育員さん。人間より全然強いチンパンジーと同じ部屋のなかで生身で向き合うのは、すごいことだなと思う。同時にチンパンジーのほうも自分がその飼育員さんを傷つけないように、そっと動くという所に愛情を感じる。

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

 

 動物園に行ったときに動物が楽しそうにしていたら、それ は ”自然に ” そうなったのではなくて、飼育員さんが絶え間ない観察と工夫により ” 人工的に ” 、動物のための最大限の環境を造ってきたんだと。

動物の感覚の一端や、飼育員さんの着眼点や工夫の面白さがストレートに伝わってきて、これって対象が魅力的なだけじゃなくて、文章もすごくいいんじゃない?と途中で気づいた。読んだらあとは動物園に行きたくなる!

 

本に出てくる動物園はZOOネットワークの「エンリッチメント大賞」を受賞した動物園だそうです。