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本の感想と体の感覚

本 やっぱりあきらめられない民主主義

「やっぱりあきらめられない民主主義」内田樹さん、平川克美さん、奈須りえさん対談。

民主主義は手段の一つでありそれ自体が目標ではない、というのが新鮮だった。それ自体がゴールのように考えて、それが何であるかについて自分が思考停止していたことがよく分かった。

やっぱりあきらめられない民主主義

やっぱりあきらめられない民主主義

 

お役所の非効率さや硬直さは個人的にも感じる所はあるけれど、そこに民間の会社と同じ方法論をそのまま持ち込んでうまくいくとは思えない。その理由は単純だけどゴールとするものが違うから。

もし「民間の手法」を公共の仕組みに持ち込むのであれば、その得意とする経済合理性自体を道具とする、一つ上の価値観の共有が必要なんだろう。でもそんなのはとりあえず今の日本にはないし。

 

もう一つこの本を読んでなるほどだったのが、「株式会社(国)のあり方とその是非を決めるのは従業員(国民ではなく)マーケット」という考え方が私たちの骨の髄まで染み込んでると。だから私たちは政治を、民主主義という「手間がかかることが価値の手法」を使わずに、「会社のようにトップダウンで決める手法」にしてしまう。

ここからが卓見だと思ったのが、政治家にとってはその是非を決めるマーケットが「選挙」だと思っており、選挙に選ばれる以上、自分たちは常に正しいと思っている。しかし実は私たちにとって政策・政治の是非を決めるマーケットは選挙ではなく「アメリカ」だと思っており、アメリカという上位審判があるから、私たちが地味に丁寧にがんばって民主主義を引き受けなくてもいいと思っている。