ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 さよならインターネット

「さよならインターネット」家入一真さん著。

家入さんが、ネットサービス提供者として関わってきた、個人的なインターネット情緒史がそのままネットの歴史になっている本。タイトルからどういう話なんだろう?と興味を持って読んだら、なるほどインターネットというのは、意識から消えていく存在だということがよく分かった。

 とくに、ネットの情報の選別技術の発展で、誰もが自分にとって(当面)心地よい情報しか得られなくなっていくことの弊害というかつまらなさ、という著者の話はよく分かる。実際、毎日自分がネットで見る情報の狭さというか、世界に繋がってるネットを使ってるのにこの閉塞感は何だろう?と感じていた。その一つは、膨大すぎる情報ゆえの必要不可欠のキュレーション技術がもたらす偶有性の排除が原因なんだろう。

著者はだから、足を使ってリアルに外に出ていけ、知らない人に会え、知らない場所にいけという。ネットの輪郭が消えて、オフラインという言葉が意味をなさなくなったときに、どこまでオフラインの視点を時間を関係を持ちうるか。そしてそのことが、ネットの輪郭の消えた世界で、新しいことを生み出していく力になると。