ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 最後のダイエット

意思の力(=がんばり)は、有限資源である。

   by 石川善樹さん「最後のダイエット」

最後のダイエット

最後のダイエット

 

 この本は面白い。たとえばこれを「最後の勉強法」としても「最後の練習法」と読み替えても通じる。

「意思の力は有限な資源である」というのは無意識にわかっていた気がするけど、言葉にされるとやっぱりすごい。毎日寝てリセットされて回復するけど、使い切ったらその日は終わり。

ということは新しいことを始めるときに、新しいこと自体に自分の「がんばり」を使うと失敗する。「がんばり」は新しいことをする「習慣」を作り出すことに使わなければならない。ゆえに「がんばり」が複数必要な状況を作らないことも大事。引越し、転職などを同時にすべきではない、というのもこの話からうなづける。

だからダイエットを続けるときに、目の前にお菓子があって我慢する(=意思力を消費する)なんてことをしてたら続かないと。お菓子は禁止はしないけど、目に見えない所に遠ざけておく、のが意思を使わずにダイエットを続けていく方法の一つだと。

 

この本を読んで、最近自分が始めたギターの練習でまさに「意思力の消費」を実感している。ギターを毎日仕事前に2時間練習すると体力じゃなくて、この意思力が消費される。そのぶん家事その他が疎かになっている。買い物もいかずレトルト食品で済ませたり。時間がなくなるのもそうだけど、意思力がなくなる。さらに詳しくいうと、弾いてるときに音楽に乗れて指が自動的に動いたときは疲れない。つまり意思力が使われない感じがする。これはけっこう大事なポイントの気がする。

 

この「意思力は消費財」という捉え方は、仕事で面倒を見てる受験生たちにぜひ伝えたい。勉強ができない子ほど間違いを指摘されると「がんばります(=意思力を使います)」と言う癖がある。自分の例に合わせていうなら、「勉強に乗って」勉強できれば、意思力を使わずに勉強ができるハズ。だから「勉強に乗る習慣」を「がんばり」で探して作っていくのが一番効率が良い勉強法なのだろう。

 

そして一般的に「上手に頑張っている人」というのは、自分の意思力の容量をわかっていつつ、「目の前の物事に乗って」常に新しいことを自分の習慣に落とし込み続けている人なんだんろう。

大見得を切ったタイトルに惑わされて読んでください。