この本は養老さんがご自身の大好きな虫取りをしている様子と、養老さんが日々考えてきた疑問について書いてある。
養老さんは解剖学と虫に向き合うことで考えて考えて、たくさんのブレイクスルーを今も続けているんだと知る。
思い込みが壊れるのも発見の一つである。発見とはじつは、常に自分に対する発見なのである。思い込みとは、要するに「自分の考え」だからである。思い込みが壊れるとは、自分の考えが変わることである。自分の考えが変わるということは、自分が変わる、それまでとは違う自分になる、ということである。極端な場合はそこで「生まれ変わる」。(本文より)
「発見→・・・→生まれ変わる」を虫に喩えて、「変身」と言ってみる。それを繰り返す人は複利計算の如くに何回も変身を重ねて倍々ゲームのように「違う人」になっていくのだろう。
そういう生き方を「変身複利」と言ってみたい(投信を勉強してる最中だから)。
同じ種類の話で、イチローの言葉に「アマチュアとプロの選手の差よりも、プロとプロの選手の差のほうが大きい」というのがあり、そんなもんかと思っていたけど、これは「変身複利」で生きているかどうかの差ということなんだろう。
この本は養老さんの「変身複利」方法論として僕は受け取る。変身複利をある一定回数以上こなすと社会に「個人として必要とされる人(=変体)」になるんじゃないかな?(笑)