ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 マーケット感覚を身に着けよう

ちきりんさん著。



自分の仕事がどんな価値を提供しているのかを言葉にできずにいる。それはこの本のいう「マーケット感覚」が分かっていないからだ。同僚に自社独自の価値は何か?という話を振ったがあまり興味がないらしい。考えなくても仕事が成り立ってる間はそれでもよかったのだろうが、そうも言ってられない気がしている。

マーケット感覚的な価値の分かりやすい例が文中にある。
最近は本が売れないというが、北海道のある本屋さんが「あなたに合う本を一万円分送ります」というサービスを始めたら注文が殺到したという。
そのサービスは本を売っているのではなく、本を探す・選ぶ手間、知識を代行する価値を売っている

難しいのは、そのサービスを提供できる(おそらく)本を良く読む人は、代行の価値を思いつきにくいことかもしれない。「自分で選ぶのが楽しいんじゃないの?」って思ったりして。
「自分が普通に持ってしまっていてその価値を意識していない知識や能力」が、それを持たない人にとって、「どんな状況のときに、どれくらいの価値を持つか?」というのを何回も実地で失敗して学ぶことで、マーケット感覚が身についていくと筆者は言う。


その方法論として5つの方法を筆者は挙げているのだが、そのうち3つを実践しようと思う。
・マーケット市場に常に身をおく
・値札に関係なく、自分がいくらならその商品(サービス)を買うか?を考える
・他人が何をインセンティブとしているかを知ろうとする

3つも新たに始めるのはきついから、既存の習慣の一部に落とし込まないと。


最後に、一つだけ著者と意見を異にするテーマがある。
国や地方公共団体にマーケット感覚を持ち込むことは違うだろうと。
マーケットは常に正しいわけではなく、時間平均として正しいところに落ち着くわけで、その「正しいところ」に落ち着くまでに、大きな振れ幅が生じることがある。
でも生き物は大きな振れ幅が一回でもあれば死んでしまうのだから。