ココロミにきみ

本と体とプログラミング

本 FLOW 韓氏意拳

 クリティカルな本に出会った。

世界には言葉で表せないものがある、と思っている(人口の5%くらいの)人には面白い本かもしれない。内容は尹雄大さんが「意拳」という武学を学ぶことを論じている。

どの武術でも、最終的には型が大事というよりは「己の自然(な動き)を追求する」という話になると思うけど、意拳」は型がなく最初から「自分の持ってるモノを十二分に発揮すること」のみを練習していくらしい。

FLOW―韓氏意拳の哲学

FLOW―韓氏意拳の哲学

 

 その練習の仕方というのが、手ごたえがあってはだめ、これだ!っていう確信があってもだめ、出来た!っていうのもダメダメダメ。。。どうやってやるんだ?

喩えていうなら、ネコがネコとして自然に存在して生きているように、躊躇いも過剰も過少もなく、100%でその瞬間を生きていることが「表現」されていく感じを、目指すことなく実践していくこと。雲を掴むような話だ。

 

本を読むだけじゃなくて実際に意拳を学ばないと、本当のところは分からないし意味がないんだろうけど、この世界に言葉以外の方法で「≒認識する」ということを実践する手法があることが楽しく幸せな気分にしてくれる。

この本というか意拳を学ぶことに向いているタイプとして、「親しい相手でも話すとなぜか疲れる友達がいる人」や、「斜めがけに鞄をかけると身体が緊張して筋肉が疲れる人」があると思う。つまりは、「ある種の障害物があったときに、意図せずに自分の発現を何割か抑圧してしまって疲れる人」には目からウロコかも。