molingitのブログ

本の感想と体の感覚

本 動物翻訳家

本「動物翻訳家」片野ゆかさん著。

半ページでその世界に没頭させる。新たな環境に連れてこられたペンギンの幸せと不安、環境の変化は全然平気だけど群れ内の関係性には悩むチンパンジー。

ペンギンは不安なときは水中に逃げるらしい。群れの一頭が新たなことに挑戦して、それが安全だとわかると他のペンギンたちも同じことをするようになる。保育器のなかで育てられた仔ペンギンの「ペンペン」は、飼育員さんを親と思ったのか、そのあとをついて回るようになり、それをみた群れのメンバーがペンペンの行った場所は行動範囲にしていく、という好循環がおきたり。

チンパンジーは能力が高いぶん個性も強く、飼育員さんはそれぞれの ” 人格 ” に合わせて対応するのが仕事のまず最低ラインだったり。子育てを知らないチンパンジーに、人形を使って抱っこを教えてみる飼育員さん。人間より全然強いチンパンジーと同じ部屋のなかで生身で向き合うのは、すごいことだなと思う。同時にチンパンジーのほうも自分がその飼育員さんを傷つけないように、そっと動くという所に愛情を感じる。

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

 

 動物園に行ったときに動物が楽しそうにしていたら、それ は ”自然に ” そうなったのではなくて、飼育員さんが絶え間ない観察と工夫により ” 人工的に ” 、動物のための最大限の環境を造ってきたんだと。

動物の感覚の一端や、飼育員さんの着眼点や工夫の面白さがストレートに伝わってきて、これって対象が魅力的なだけじゃなくて、文章もすごくいいんじゃない?と途中で気づいた。読んだらあとは動物園に行きたくなる!

 

本に出てくる動物園はZOOネットワークの「エンリッチメント大賞」を受賞した動物園だそうです。

本 できない脳ほど自信過剰

「できない脳ほど自信過剰」池谷裕二さん著。

いずれにしても、ヒトの知能が礼賛される時代は、そろそろ終焉を告げるでしょう。これは運動能力がたどった経緯とおなじです・・・中略・・・いずれ知能はブランドではなくなるでしょう。人工知能のほうが賢いからです。(本文より)

 なんだろう、池谷さんが言うと、素直に人工知能と付き合えばいいんだという気になる。AIに仕事が取られちゃうとか漠然と不安を感じてたけど。

たぶん ” 不安 ” は「常に同じでいたい」っていう脳の働きのせいなんだろうけど、産業革命の時だってなんとかなったし・・・たぶん。変化してなんぼ!って思えば。というか激しい変化の時代に生きれるって、望んでも得られないチャンスかも。

そして機械が知能労働をするようになるから、” 人間らしさ ” を新しく考え直さないといけないんだろう。・・・別に考えなくてもいいか。楽しければ。

できない脳ほど自信過剰

できない脳ほど自信過剰

 

本文の98%くらいは(人工知能とは全然関係なくて)一つ一つが面白いトピックで、メモしまくった。数値フィードバックさえあれば血圧も「念じるだけ」で変えられるとか、年齢とともに記憶力が低下するのは老化ではなく、脳の使い方が記憶から応用にシフトするからだとか。

自分の脳の新しい使いかたや機能を知ることが嬉しいんだから、AIが変えていく世界での、新しい脳の役割が与えられた時は、きっと楽しく感じられるんじゃないかな。

本 ルールを変える思考法

「ルールを変える思考法」川上量生さん著。

経歴や仕事の仕方も面白いけど、やっぱり考えが一番面白い。なんで文明が発達して、コンピューターが出て、ネットが出て便利になったはずの社会で、つらい会社勤めになったりしているんだろう?って思ったら、その回答がここに。

いまの世の中の進化は、人間そのものの進化ではなく、あくまでも「人間の外にあるロジックの進化」になっているからです。(本文より)

言い換えると、もうすでに世の中は人間のための発展じゃなくて、社会を貫く「ロジック」が動きやすいように環境を整えていくお手伝いを、”人間”がしている。あくまで主役は「ロジック」なので、人間の都合(幸せとか健康とか)は二次的なものとなってしまうから、しわ寄せが弱い部分に来てるんじゃないだろうか?

AIがいつか人間を超えるというイメージは多くの人が持っている気がするけど、それは「ロジック・ファースト」世界の「分かりやすいアイコンとしての " AI "」 と捉えたほうがいいのかもしれない。

現在の世界で有能な人が活躍すればするほど、ロジック主義の世界がどんどん発展・構築されていく。「ルールを変える思考法」というのは、そのロジック・ファースト世界のルールに、どれだけ長く・深く対抗できるか?を考えた軌跡であり、同じように戦ってくれる(遊んでくれる)人へ向けてのメッセージだと思う。

本 せいめいのはなし

「せいめいのはなし」福岡伸一さん対談集。

お相手は内田樹さん、養老孟司さん、川上弘美さん、朝吹真理子さん。

話してる人自身がほんとに面白いと感じてたのが伝わって来る。内田さんとの対談では、最後には次のような言葉にまで行き着いている。

内田樹)というか、人間の等身大のスケールで見えるものと「同じ構造」が見えることを人間は「理解」という言葉で言っているんじゃないですか。

このアイデアは福岡さんが「生物と無生物のあいだ」で、科学者が ” 発見するもの ” は、客観的でもなんでもなくて、科学者の ” 普段の有り様 ” の相似形になっている、ということに端を発している。ワトソンとクリックが二人で、二本の鎖による螺旋構造を発見したとか。

せいめいのはなし (新潮文庫)

せいめいのはなし (新潮文庫)

 

この内田さんのアイデアを援用して考えると、自分の生き方や環境をどれだけ大切にするかが、今後の自分が出会うモノゴトの質や形を決めてしまうってこと。

python事始め

pythonを学び始めた。

プログラムは初中級程度で何年も書いてないというレベル。新しいものを始めるときは複数の情報ソースを惜しみなく使うことを最近覚えた。切り口が違うと、著者ごとの前提としている知識の違いもわかり、話が立体的に見えてきて理解が早い。

ネットで無料で検索したら出てくるのに何冊も本買うの?って言われるけど、体系的にまとめられてるものによる時間短縮の価値を考えたらと。人生短いし。見やすいし。さらにUDEMYでいくつかpython講座をとってるけど、最終的には本のほうが映像よりも進みが早い。

 

とりあえず使っている4冊。 

 

Pythonプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本」

 初めてプログラミングという人にはこの本の途中までがいい。ブラックジャックのゲームを曲がりなりにも完成させるので充実感がある。プログラミング自体の面白さがわかりやすい。くどいぐらいに途中過程もプログラムの全文を何度も載せてくれるので、根気よくやれば絶対できるのがありがたい。

Pythonプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本

Pythonプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本

 

 

「たのしいプログラミング Pythonではじめよう!」

この本はプログラミングの正統的な組み方や、pythonでできることを分かりやすくまとめている。pythonが何ができるのか、プログラミングに出てくる言葉や概念のイメージをつかむならこいつ。説明の流れが連続しているので、つまみ食いで読むよりも最初から通して読むことを想定されている。アメリカの教科書のイメージなのか、たとえ話や比喩を多用するので、「概念の理解」→「プログラムとしての表現」みたいな。ゲームを作る過程もあるが、必要な箇所の表示だけなので上の本よりは若干レベル高めで、要素をいろいろ使う練習になる。

たのしいプログラミング Pythonではじめよう!

たのしいプログラミング Pythonではじめよう!

 

 

「 みんなのPython」これはプログラミングができる人がpythonの言語の仕様を理解するのに向いている。前もって読むんじゃなくて、python使うときに横に置いておく本。まだそんなに使ってないから今後書き足す。著者のwebページが良かったのもある。

みんなのPython 第4版

みんなのPython 第4版

 

 

「 入門Python3」

いわずとしれたオライリーの正統派・無味乾燥な教科書。中身は白黒で無駄がいっさいない。著者の個性とかそーゆーのいらないって人向け。情報の整理はさすが。以前にPerlActionscriptオライリーにお世話になって以来、とりあえず揃える一冊。表紙の絵をなんとかしてほしい。

入門 Python 3

入門 Python 3

 

 

さー来月には機械学習に!

本 チームのことだけ、考えた

「チームのことだけ、考えた」グループウェアで有名なサイボウズ社長:青野さん著

 鎌倉投信の受益者総会で知った青野さん サイボウズが話題を呼んでいるのは、みんなサイボウズのあり方のように「チームで働きたい!」って心から思ってるからじゃないんだろうか 個人的にはすごく思ってるけど実感できたことが少ない

青野さん自身が社長業をやっていくなかで、十人十色のメンバーがそれぞれの個性を発揮して光り出すチームの力が面白くてしょうがなくて、それをどうやったら伸ばせるんだろう?と試行錯誤してきた記録がこの本

本曰く、

0 多様性時代前のある種暗黒時代→社長の挫折→真剣にやる覚悟ができる

1 共通の理想を作る→グループウェア世界一!

2 グループウェアの機能って?→それが必要なチームの定義って?

3 どうやったらチームって機能するの?→多様性!

4 多様性に力を発揮させるために?→ウソ無し、理想を伝える責任、説明責任

  →100人100通り人事制度、働き方の多様化

5 仕組みだけなく企業風土も作る→社長自ら育休を使う

 

遅かれ早かれどの会社も多様性を大事にする仕組みに変わっていくだろうなと思う 

「変わっていく」はたぶん正しくなくて、働いている人自身が「変えていく」という形になるんだろう その時に、サイボウズという先例があることがとても嬉しい 

本 グーグルに学ぶディープラーニング

ディープラーニングがビジネスにどう使えるか、のまさに入門書。

A.I.機械学習ディープラーニングの違いを説明してくれる所から始まる。全体としてとても丁寧な説明で分からないということがない。

googleのトップ技術者たちによる説明と、実際の企業で使われている例で、技術的な現状の限界と実際に使われている現状がよくわかる。 

グーグルに学ぶディープラーニング

グーグルに学ぶディープラーニング

 

ディープラーニングを使う技術的な方法論として、

1.分野ごとに 完成(学習)されたディープラーニングAPIを通じて使う

2.TensorFLowというディープラーニングの型を使って自前で学習データを用意する

3.ディープラーニングの型から、学習データまで全て自前で用意する

他にもディープラーニング以外の機械学習を使う手もある。

 

現状では、1.のAPIを使う方法論ですら、それに対応できる社員がいる企業のほうが珍しいだろうから、今使うなら専門の会社に頼むことになると思う。本にもあるけど、ディープラーニングの手法はコモディティー化するから(エクセルレベルになるんじゃないか?)、使う宛先のアイデアが勝負になってくるはず。

 

本筋ではないけど、ニューラルネットワークの層の数が、それぞれ違う特徴量に対応していることを初めて知った。だから例えば、画像の数字認識くらいだったら、色の識別とかがなく形の要素だけなので3層程度以上層を増やしても正答率が上がらないのだろう。

そういうミニマムな手法レベルの具体性から、ビジネスの具体性まで全体像がよくわかる本だと思う。